翡翠






     ああ、一匹の翡翠かわせみ

     「死」の嚆矢となって

     俄かに、僕らの頭上を通過するとき




     僕らは「詩」を思い出す

     忘れ去られた古代の本の

     表紙を覆う薄埃を払うように




     ああ、一編の詩句が

     やがて美しい翡翠となって

     世界中の誰かの頭上を通過せんことを!




     蝋燭が潰えることの儚さを!

     それでも火は受け継がれることの

     美しさを!




     

     



 


     

     



     


     

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