無花果

     





     糧のある旅をするということ

     果てなく歩を重ねるということ

     あま高く放たれた音

     心を掴んで逃さない言

     

     君が涙を流すのならば、

     その雫を無花果の葉に溜めよう!

     君が言葉を失うならば

     その沈黙を余白で満たそう!


     そして涙と言葉 あるいは

     これまで失われてきた あるいは

     これから失われゆくものごと

     それらすべてのものごとの墓標を建てよう!

     あらゆるガラクタを其処に弔えば 彼らは

     お待ちかね あまねく海原へ還ることができる!

     

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