第9話
アリスと共に行動しいくつかのことが分かった。
この森は死の森と言われているという事。
エルフは魔法に長けているという事。
エルフは種族スキルとして精霊魔法が使えるということ。
この森全体に複雑な幻影魔法が施されており、森から出る事は困難であるということ。
「まぁ、つまり、僕たちはこの森に閉じ込められたというわけだね」
「そうなりますね...ただ、一つだけ森から抜ける方法があります!この森には森の主がいてその魔物が森に幻影魔法を掛けているみたいなんです」
「つまり、その主を倒せればここから出れるというわけか」
「そうです!!」
まぁ、ここから抜けるために方法が分かっただけありがたいな。
(あ!僕が置いてったオーク!アリスがいたら精霊魔法で焼く事も出来るんじゃ...)
「ねえ、アリス?精霊魔法で肉を焼いたりって出来る?」
「え?まぁ、出来ますけど、お肉があるのですか?」
僕は頷くとアリスを連れ、オークの死体があるところに連れていった。
まず、アリスに剣を借り、オークの死体の血抜きを行った。その後解体し、食べられる箇所と食べられない箇所に分け、食べられない箇所に関してはアリスに魔法で消し炭にしてもらった。
「よし!切り分け完了!あとは枝を用意して、、、アリス、ここに精霊魔法で火をつけて欲しい」
「かしこまりました!プチ・ファイア!」
小さい血の玉が枝に燃え移り簡易的だが焚き火を作ることに成功した。
その火でオークを焼き、香ばしい匂いが漂ってきた。
通常であれば魔物は毒である。しかし、エルフは魔物の瘴気に抗体を持っているため魔物を食すことが出来る。よってアリスはカイルが人間であり、魔物を食べる事が出来ないということを忘れてしまっていた。
カイルはカイルでこれ以外に食べられるものも無いし、仕方がないと判断し食べる選択をした。
「よし!良い感じに焼けてきた!じゃあ食べようか!」
「「いただきます!」」
口に含むと香ばしい肉の香りが口の中に広がった。貴族として普段良いものを食べていたカイルからしてもこれは絶品だった。
(オークの肉うまっ!!)
カイルはあまりの美味しさで驚愕していたの だが、アリスは普段から食べているからかそこまでの驚きはなかった。しかし、美味しいことに変わりはないようで笑顔を浮かべながらオーク肉を食べていた。いくつかに切り分けていたのだが今日の分として置いておいたものは食べ終わった時だった。
『スキル「瘴気耐性」を獲得しました。また、オークを食べたことにより、オークの種族スキル「怪力」を獲得しました』
「ん?!」
「え?どうしましたか?」
カイルは急に頭の中に声がしたことに驚き変な声を出してしまった。
「今、急に頭の中にスキルを獲得したとかいう声が聞こえて...」
「え?!スキルですか?!ちょ、ちょっと待ってください!どうやって!」
普通なら有り得ない発言にアリスも驚き、目を丸くしている。カイルは今の言葉を確かめる為にステータスを開いた。
名前:カイル・ディア・アルソリア
年齢:15歳
スキル:「食事」、「毒無効」、「初級毒魔法」、「瘴気耐性」、「怪力」
「瘴気耐性」...瘴気に対して耐性を持つ。
「怪力」...スキル発動時、筋力が2倍になる。効果時間は5分。クールタイムは30分
...やっぱり増えてる。食事スキルのおかげか。
以前まで見れなかった食事スキルの詳細が見れるかもしれないと思い、詳細を開いた。
「食事」... 食べる事が出来る。このスキルはあらゆるものを食べることが出来る。食事をすることでそのものに関わるスキルを獲得する。------によって与えられた------のスキルのうち-------。
やっぱり文字化けしてたところの一部が見ることが出来る。てか、このスキルやばくない?
ハズレスキル「食事」の成り上がり~食えば食うほど強くなる~ @nekonikukyu
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