第8話
さて、オークを倒したカイルだったがどうしようかと迷っていた。
(んー。。お腹空いたんだけど食料他に無いし、、魔物って食べられないよなぁ。。)
この世界では魔物は瘴気を体内に宿しており、専用の処理をしないと食用には出来ないとされている。瘴気は人間にとって毒であり、しっかり処理をしていないと1時間以内に腹痛や下痢の症状が出て、最悪命に関わるリスクがある。
カイルは処理の仕方など学んでおらず食べることに躊躇していた。
「とは言っても他に食べれるものも無いしなぁ。仕方ない。こいつを食べるかぁ。でも、ナイフも火も無いしなぁ。。どうしよう」
そうこう考えていると森の中から悲鳴が聞こえた。声の距離からしてもそこまで遠くない。
(ここで考えても仕方ない。声のした方に行ってみるか)
森を駆け、声のした方に向かうと5体のゴブリンが1人の少女に襲いかかっていた。少女は剣で一体のゴブリンに斬りかかったがゴブリンは一瞬怯んだだけであまりダメージを与えられていなかった。ダメージを与えられなかったことに驚愕し顔に焦りと恐怖の色が浮かぶ。
(これは不味いな。加勢するか)
「君!大丈夫?!今助ける!『ポイズン・ショット』」
言うが早いか手前にいたゴブリンに向かってポイズン・ショットをぶつけた。ゴブリンたちは少女から目を離し一斉にカイルに警戒しだした。カイルは冷静に一体ずつポイズンショットをぶつけた。ゴブリン達は少し苦しんだ後、次々と倒れていった。
ゴブリン達が次々と倒れていくのを見ながら少女は自分が助かったことに安堵していた。
「危ない所助けて頂きありがとうございます。私はアリスと申します。よろしくお願い致します」
「僕は、カイルです。無事で良かった」
「カイル様ですね。カイル様は一体どうしてこの森に...?」
カイルは今まであったことを説明した。ハズレスキルのこと、国王に伝えたこと、国王が怒り、僕をこの森に転移させたこと。それらを聞いたアリスは怒りをあらわにしていた。
「なんて人でしょう!見ず知らずの私を助けてくれるこんなに優しいカイル様を追放するなんて!!」
「ははは、ありがとう。僕の代わりに怒ってくれて。ところでアリスは一体どうしてゴブリンに襲われてたの?」
「実は...」
アリスの話によるとアリスはエルフであり、元々この森のすぐ側の当たりに住んでいたらしい。街に買い出しに行くため森を出たら盗賊たちがエルフを攫う為に待ち伏せをしていた。そこから逃げ出してこの森に入ってしまい、今に至るとの事だった。
「というか、アリスはエルフなの?!」
「はい。エルフの一族です」
人間社会で普段見ることのないエルフにカイルはジッとアリスを見てしまっていた。
「そ、そんなに見つめられると恥ずかしいです...///」
(か、可愛い!)
こうして初めての仲間が出来た。彼女を巡ってある事件が起こるのだが今はまだ先の話。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます