第6話
「んっ...ここは...?」
目が覚めるとカイルは見知らぬ場所にいた。
周りは、木々が生い茂りどこかの森の中のようだ。
(確か、僕は王城に行って、陛下にスキルのことを伝えて...あっ!そうだ!そしたら陛下が豹変して、足元が光ったと思ったら僕は意識が...)
目が覚め、ボッーとしている頭を働かして何があったのかを思い出していると森の中からガサガサと何か音がした。
(な、なんだ?!もしかして誰か僕を探しに来てくれたのか?!)
「おーい、こっちd」
助けを求めようと声を出した時、物音の正体がこちらに顔を出した。
--オークだ
カイルの身の丈の2倍はあろうかという巨体がこちらに顔を向けていた。
「う、うわぁぁぁぁ!!」
(お、オークだ?!そんな、殺される!父上、母上助けて!!!)
幸いなことにオークは足が遅くカイルは何とか逃げ切れることが出来た。
「はぁ、はぁ、なんとか、オークからは逃げきれたけどヤバいな。喉乾いたし、お腹も空いたし、なんだか目の前がフラフラする」
思いっきり走ったことと随分水を飲んでいなかったせいでカイルは脱水状態に陥ってしまった。そのような状態でフラフラと歩いていると濁ったため池を見つけた。
「み、水だ。やっと飲める...」
カイルは脱水状態で正常な判断が出来なかった。明らかに水は濁っており、飲水に適していないのは一目瞭然。しかし、今のカイルにはそれがオアシスのように見えていた。
「ゴクゴク、ぷはぁ、やっと水にありつけt」
ギュルルルルル!!
水を飲んだ直後、ありえない音がお腹から鳴り出した。尋常ではない腹痛によりまたもやカイルは意識を失ってしまった。
ここはアルメニア王国からずっと東の国にある森。通称:死の森。入った者はいても出てきた者はいないと言われる。ひとたび足を踏み入れたら最後、森から抜け出すことは不可能である。食べ物はおろか、水すらも人間には毒であり、それらを食して生きて来た魔物達は全て通常よりも強化されているのだ。
よってこの地には誰も足を踏み入れない。
【スキル:毒無効を獲得しました。毒の解析により、スキル:初級毒魔法を併せて獲得しました】
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