痛みの三寒四温・二
椎間板ヘルニアの痛みはボジョレーヌーボー。
座れる椅子すら、その日の体調によって違う。
ふかふかの椅子のほうが腰に負担がかからない日もあれば、クッション性のない椅子のほうが腰に負担がかからない日もある。
階段の上り下りしているときのほうが体の調子のいい日もあれば、階段の上り下りしたら腰から死ぬなと階段を使うのを諦めるときもある。
椎間板ヘルニアの場合、体の負荷さえなければ運動もしていいが、どれだけしていいのかがわからず、結局は日常生活に合わせていくのが精いっぱい。
ただ、絶対にしてはいけないことはある。
……重いものを持つことだ。
ある日、通販で米が届いた。米を運ぼうとした途端「ビリビリビリビリッ!!」と音がした。今まで「痛いよう痛いよう」とひとりでこっそりシクシク泣くことはあっても、ボロッと涙がとめどなく溢れたことはなかった。
米を運び終えたあと、私は床に転がって「痛いよう痛いよう」と呪いの言葉を吐きながら、声を上げていたのは言うまでもない。
住居の自転車置き場が最近変わり、腰に力を込めないと片付けることができなくなった。腰の調子のいい日は平気でも、腰に負担がかかっている日は腰痛いようと呪いながら自転車を片付けている。
腰の弱っている私で駄目なら、母とか大丈夫なんだろうかと思っていたら、案の定母は嫌がっていた。
年寄りと腰痛持ちでも使える自転車置き場に戻して欲しいものである……せめて高さ調整どうにかならないんだろうかと思っている。
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