起き上がれないそのときは
ところで、ぎっくり腰にしろ椎間板ヘルニアにしろ、痛過ぎて一度寝転がったら最後、起き上がれないことは多々ある。体が痺れて、ヘルニアが圧迫されて、痺れたりして痛いのだ。
痛いととにかく起き上がれないし、無理に起き上がれば立ち上がれない。それはよくないと、起き上がる方法をネット検索しはじめた。
整形外科のサイトなどでは「腕の力で体を起こすんだ」とあった。
無茶言うなよ。私非力だよ。
当然ながら諦めた。しかし諦めたら私は一生寝たまんま生活しないといけない。せめて撮りためているアニメは見たい。
他の方法はないかと思ったら、ひとつ見つかった。
「頑張ってうつ伏せの姿勢になり、四つん這いになって起き上がる」
……寝返りが打てないが、こちらならギリギリできんこともなさそうだと思い、朝はジタバタしながら四つん這いになってから起き上がることが増えたが、椎間板ヘルニアが悪化し、抱き枕で眠るようになってからはそれだと痛くて起き上がれない。
つまり、腕の力で起きる方法を実践しなくてはいけなくなった。
最初の私は、腕の力だけで起きる方法は当然ながらできなかった。力ない、痛い、力ない、自分の体重全部を腕に向けるのは無理っ!
何度目かの泣きそうになったとき、ふと気付いた。
テレビを見るとき、腕枕をしながら見ていることがある。あのあとは普通に起き上がれるのはなんでだろうなと考えはじめた。
右手を腕枕にしているとき、すぐに右膝、左膝に力を込めて星座ができる……これだ。
いきなり腰に力を込めて起き上がることは無理でも、正座から立ち上がることはできるはずだとジタバタしていたら、なんとか起きられるようになった。
椎間板ヘルニアになるということは、日頃自分が無自覚でやっていた行動を、再定義化することのように思える。
無自覚にやっていた行動は、実は細かい単純行動の積み重ねなんだなと、変な感動がある。
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