ヘルニアと私
周りでは腰を患った人は「医者にすぐ手術を迫られた」と言われている。
「有無を言わせないまま手術台に乗せられた」「泣いて考えさせてと言ったら取りやめになった」などなど。
腰を患うってことイコール手術なんだろうか。
ちなみに私は手術は鼻の穴の中にできたほくろ摘出手術以外したことがない。あまりにも鼻毛に見えるし、なんかでかくて鼻かむときに邪魔だしということで取ろうとしたら、MRIのとき以上に病院内を駆け巡って検査をしてから摘出手術することになったため、ほくろがなくなったわーいという感動よりも、なんか知らんがむっちゃ疲れたという感想しか出てこなかった。
腰の手術のときも、立っていても座っていても痛い中、病院内をぐるんぐるん回って検査、検査、検査をしなくてはいけないんだろうか。
手術よりもまず、前段階の存在に私は脅えていたが、MRIデータの届いた整形外科からは「しませんよ?」とあっさりと言われた。
医師「基本的に椎間板ヘルニアは、対症療法でいきます。トイレの際に困るという場合や、働いているときに邪魔って場合は手術をする場合もあるんですが、ヘルニアが飛び出ているのを切ったとしても、そのときだけしか治りませんので」
私「はあ……」
アホの顔をしながら、私はそんなもんかと思い、病院の帰り道こっそりと泣いた。
手術しなくてよかった。検査いっぱい、腰痛い中病院中あっちこっち巡り、迷子……うん……よかった。
怖い話ばかり聞かされていたので、私はひとりでべそべそとしていた。
しかし、ここからがさらなる激闘のはじまりだったとは、当時の私は思いもしなかったのである。
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