ぎっくり腰が治ったと思ったときが私にもありました

 それからゴールデンウィーク。

 お風呂入りたいよう、シャワー浴びたいよう、頭洗いたいよう。腰の痛さでどれも物理的に無理で、ひとりでただみーみー泣いていたのも三日ほど。そこから先は痛みもひき、私は立って着替えられる喜び、シャワーを浴びれる心地よさ、お風呂に入れる満足感に感動していた。

 ゴールデンウィークも無事終了し、痛み止めを飲まずとも動き回れる体に感動し、普通に眠れる毎日を謳歌していた。

 今思っても、この頃の私は完全に調子に乗っていた。

 医師から言われた「腰だけ五十代」の重みを、この頃はなんにもわかってなかったのである。


 ここから夏の間は調子に乗った生活を謳歌し、秋。九月に今まで溜まった録画をのんびりと見ているときに、唐突にそれは起こった。

 このときは、「グキッ」とも「ゴキッ」とも言ってないが、ただ鈍く腰が痛かった。最初は「生理痛かな」程度にしかわからないものの、だんだんその痛みはひどくなっていく。

 なによりもおかしかったのは、今までは腰全体以外は特に痛みを訴えなかったというのに、今回は何故か左半分だけ痛いのである。

 左と右と足の長さが違うのかな。そのせいで左にだけ負荷がかかってるのかな。

 そう呑気に思っていたものの、とうとう耐え切れなくなった私は、再び整形外科の戸を叩いた。


私「むっちゃ痛くて座ってても立ってても痛いです」

医師「紹介状書いてあげるから大病院行け」


 こうして私は、大病院へと旅立っていくことになった次第である。

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