最終話.私、自由に生きたいと思います

貴族裁判を行って数日経ち・・・


私は部屋でのんびりとティータイムを楽しんでいた。


「すべて丸く収まって良かったですね」


「えぇ、これも協力してくれたみんなのおかげよ」


実はクラブ伯爵とは父を通して、

貴族裁判の前に話を通していた。


伯爵もレイが婚約破棄したことは寝耳に水だったらしく、

彼に対しての怒りを爆発させながら今回の件に協力をしてくれていた。


といっても頼んだことは婚約破棄を了承してくれることと、

日程ぐらいなのだけれど。


トーレラは表立った罰は与えらてはいないものの、

伯爵家に楯突いたうえ、

不義を働いた女性であるとすぐに噂が広まり

あっと言う間に孤立。


実質的に社交界からは永久追放されたと言ってもいいだろう。


レイはトーレラの他にも女遊びが激しかったらしく、

清廉潔白を好むクラブ伯爵はそれを知り激怒。


その日のうちに家名を剥奪し、

辺境の地に永久追放したそうだ。


どちらも終わったことだから、

私には関係ないことではある。


それよりも・・・


「ところでリア様。これからどうするご予定で?」


「そうねぇ・・・婚約者もいなくなったし、何をするにも自由なんだけど。

案外自由に生きるって難しいものね」


「貴族ですから仕方がありませんよ」


「特に好きな男性もいないし、やりたいことも思いつかないし・・・」


「とりあえず・・・今のところはお茶を楽しむとしましょうか」


アンと2人ゆっくりと木漏れ日のような時間を過ごす。

急いでなにかを決めることなんてない。


私はこれから自由なのだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

悪役令嬢と勘違いされて婚約破棄されたので自由に生きたいと思います @niwahiyo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ