第4話 紙の本を出すために必要なパソコン作業

 さあいよいよ、パソコンを使って紙の本を作るために必要な、作家というか編集者として必要な作業を述べて参りましょう。

 なおこれは、パソコンを自分で操作できる人であることが前提の話ですので、そもそも操作できない(しない)人や時間がなくてそこまで手が回らないような人に通用する話でないことを、あらかじめお断りしておきます。


 ちょっと大げさ目に対象者を絞るようなことを申しましたが、本を出すために必要なパソコン作業というのは、さほど難しいことはありません。

 段階を追って、述べてみましょう。


 まずは、原稿を揃えること。

 とはいうものの、これはカクヨムサイトもしくはワードでベタ打ちできる能力があればもう十分です。

 いや私は写真集が出したいのだという人は、写真を用意してください。

 写真集については、現段階では私は手を出しておりませんので、そちらについては各自研究願います。これは漫画を出したい人も同じです。

 しかし出版する本が文字の本であれ写真集や漫画であれ、素材がないことにはどうにもなりません。そこはもう、それを用意してくださいというしかないです。


 さて、今回は詩集もしくはエッセイなどの本を出すこととします。

 私の場合、そこが本業ですので、その視点から述べております。

 さあ、作品ができています。

 次に、どの大きさにするか。本のレイアウトはどうするか。

 当然かどうかなど論ずるまでもなく、カクヨムなどの小説サイトやワードのベタ打ち原稿と、本として出す原稿は全くレイアウトが異なります。

 場合によっては、横書きが縦書きになることだって普通です。

 そこは私の場合、ワード機能を使ってレイアウトを作成しました。

 大きさですが、パブファンさんの場合、最大でA4まで。

 ここで私は、いっそ、そのA4で本を出すことにしました。

 紙が大きくなると1枚当たりの印刷費が少し高くはなりますが、1頁の情報量が多くなりますから、A4で2段組にすれば実質2ページ程度の量となります。

 さらに言いますと、ワードのレイアウト段階で大きさを変えずに済むので、文字数と段組みだけを考えてやればいいってことになります。これで、無駄な思考を持たずにさっと次の作業に映れるという利点が、私の場合はありました。


 さてさて、それでレイアウトにしたフォーマットの上に、カクヨムで書いた詩をどんどん載せていきます。なかにはこの書籍用に書いたものもありますが、そんなものはそのレイアウト上の必要なところに書き込めばいいだけのことです。

 目次も付け、奥付も作っておきます。

 奥付だけは、横書きでページ番号は入れません(入れてもいいとは思うけど)。


 こうしていくつかのパートがワード原稿で出来上がりました。

 実は1年程前に実験的に電子書籍を作ろうと思って試しに無料で出してみましたが、どうも、しっくりこないと言いますか、そういう事態が発生していました。これは楽天さんで出していたものです。タダならと思われてだとしても、そんな文字化け多数のシロモノを、よくまあ買ってくださったものですわ。

 そんな事態を防ぐにはどうしたらいいのだろうかと、金て(かねて。金にならんようでは困るなと~苦笑)思っていたところ。

 まして紙の本なら、それだけで商売にならんがな。

 当時ネクパブのサイトをよくよく見ていけば、そういう場合、PDFで原稿を作ればいいのだとのこと。

 何だ、あの謎の機能か。そう、文字を写真状態にしてしまう、一種の一面写植状態ね。それは今ふと書いていて思いついた表現ですけど、まさにそうじゃないですか。それなら、自分が二部学生のときに印刷会社でやっていた業務のパソコンバージョンではないか。

 では、そのピーディーエフとやらは、どのソフトがいいのか、ってことに。

 結論。どのソフトでも、とりあえず、よろし。

 実際、その機能をフルでしかも毎日じゃんじゃん使うなんてことないから。

 有料のプロバージョンとやらもあるけど、実はそこまで差し当たっては必要ないことにも程なく気づきました。

 そりゃあんた、いっくら3か月で本を10冊も出したと言っても、聞こえはそれはそれはすごいことかもしれないが、実態は、そのPDFソフトを使うことは何日かに1度かそこら。わざわざ有料版を今から使うほどでもない。

 将来的に写真を多量に使った出版物を出すようになれば少しは変わってくるかもしれないが、当面は詩集とエッセイ、それに小説がようやく1冊程度の現状であれば、写真をそう意識することもない。だったら、無料の範囲内で十分。

 というわけで、これまた、前回述べたISBNコードを云々のときの話が既視感あふれる形でリアルに展開している状態になっていますけど、もう、そういうことでしてね。

 超零細事業者が無駄な金や労力を使っている暇なんかないのですよ。


 しかも、PDFを使うとなったところで、ワード原稿をPDFに変換することくらいで、これは別に無料バージョンでパソコンに入っているソフトで十分。どうやらうちのソフトはネット環境に接続していないとだめらしいけど、いつも無料の備付電波を拾っているから、問題なし。

 昔なら、これで電話料がいくらかかったか知らないけど、今はそんなの無料。入居しているアパートの家主がネット環境を無料で整備してくれているから、すいすい問題なし。さっさと仕事が進みます。

 ハードに電波を使うゲームなんかするヒマもないからね。


 さて、実のところ編集はワードのうちにほぼ終っておりまして、それをあくまでPDFに変換するだけ。ただこれだけでは駄目で、変換したPDFの原稿に順番をつけて結合しなければいけません。

 そのくらいなら、無料サイトでも十分できます。

 私のパソコンに入っているソフトは、無料版だと1日2回という制限があるらしいですが、毎日毎日何回も使う機能じゃないから、そんな程度なら無料版で十分です。そりゃあ、1度くらい失敗するかもしれないが、それでも1日に2度も3度も同じことをすることもありませんから、問題なし。どうしてもとなれば、別のパソコンに入っている同じソフトでやればいいだけのことです。


 あとちょっと、ついでの駄賃で、透明効果という機能について。

 この透明効果という機能、私にはよくわからんが、要はPDFの原稿に透かしのようなものが入っていて、それがそうらしいです。

 詳しい人、わかりやすく教えてください。

 これがあると、写真なんかが印刷段階でおかしくなってエラーの原因になるらしいね。文字だけだったら特に問題なかったみたいだけど、思うところあって詩集に写真なんかも入れ出したから、それでそこがちょっとした関門に。

 しかしここも、ネクパブさんのサイト内にあるオプションで、この透明効果を排除できるソフトがあるそうな。今のパブファンセルフさんにもありますよ。

 これね、登録段階でエラーのあることがちゃんとメールで送ってくれますのや。

 それで、そんな場合はこのページに行ってくれと言われたので、そこに行ったらどんな夢もかなうとまではいかないけど、この透明効果は、ばっちり、削除された原稿が出来上がるという次第。

 これにて、本の本文原稿、それも全体が仕上がりました。

 もうエラーも食らうまい。


 さて、次回は表紙について。これも、ひとつコツがあります。自己出版しない人やカクヨムに作品をたくさん出しておられる方にも、是非お勧めしたいサイトがあります。

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