続編映画
藤田アルシオーネ
続編映画
映画はその作品が興行的に成功すると続編が作られる。
「バック・トウ・ザ・フューチャー」「スター・トレック」「スター・ウォーズ」「ダイ・ハード」「ハリー・ポッター」「007シリーズ」とメガ・ヒット、大ヒット、まあまあヒット大作が並ぶが、これらは続編が製作された作品群のほんの一部。
なかでも「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は脚本・興行成績など第一級作品で、大人も観られるエンターテインメント超大作だ。
例のラストで出る「TO BE CONTINUED」は劇場公開時にはなかった。その後ソフト化される際、エンドロール前に挿入されたらしい。
製作者側に続編予告の意志はなかったそうだが、ファンは当然続編があるものと思い込み、出演者は「聞いてねえ」となったのが真相、と今調べて知った。
しかし三作の出来栄えを見れば、最初から三部作で企画されていたと考えてもおかしくないほど完成度は高い。私自身そう思っていた。
「ダイ・ハード」はやはり第1作目が抜きんでて面白い。次いでサイバー・テロにより合衆国全土をパニックに陥れる4作目か。最終作は派手だが脚本がいま一つ。
「007シリーズ」は情報量が多すぎるので別の機会に。「スター・ウォーズ」と「ハリー・ポッター」は観ていない。見ていないのでなにも書けない。
その「スター・ウォーズ」映画化が決定したことにより、SFテレビシリーズの老舗「スター・トレック」も1979年に劇場版を公開、今日まで13作品が製作されている。
初作はストイック過ぎて本来のST的要素が希薄となり、かならずしも高評価は得られていない。
2作目以降はSTファンなら安心して見られる内容が製作され続けている。
本来なら14作目が2023年12月にも公開の予定だったが、2022年に監督が降りて、現在のところ製作の目途が立っていないらしい。
なお、新シリーズでパヴェル・チェコフ役を演じた俳優のアントン・イェルチンは劇場版13作目公開直前、事故により亡くなっている。
オリジナル・シリーズにスポック役で出演し、新シリーズでも老スポック役として若きスポックにアドヴァイスを与えていたレナード・ニモイも、12作目の出演が最後となり、2015年2月に死去。
13作目のストーリー内で老スポックの死を使者に知らされ、故人の遺品を引き取った若スポック。ラストシーンで遺品の中にあったピクチャー・パッドを開くと、初代~エンタープライズAの主要クルーの集合写真が映し出された。シリーズ中、トレッキーにもっとも寂しさと歳月を感じさせるシーン、と個人的には思っている。
4作あるジェイソン・ボーン・シリーズも楽しめる作品だが、時々何作目を見ているのかわからなくなる近似性がある。
ダーティー・ハリーは5作製作された。最終作の誘いがクリント・イーストウッドに来た時、彼は乗り気ではなかったらしい。もう前4作でやりつくした感があったのだろう。
1988年公開の「ダーティー・ハリー5」は、主役本人がベテランになったこともありアクションシーンは激減したが、その分脚本が落ち着いた内容となって地味に面白い。
容疑者の映画監督役で出演したリーアム・ニーソンはこの5年後、スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」で主役を演じ、アカデミー主演男優賞にノミネートされている。
最後にもうひとつ、地味な続編を紹介。
「フレンチ・コネクション」は1971年に公開され、5部門でアカデミー賞を受賞した刑事アクション映画の名作。
確かにしっかりした仕上がりで、アカデミー受賞は当然の作品だが、どうしても解せないシーンがひとつ。
ヘロインが隠されているという容疑で押収した高級車を、警察の車両検査場で徹底的に調べるのだが、目的の品はみつからない。
諦めかけた時、車両重量の矛盾にポパイ刑事(ジーン・ハックマン)の相棒、クラウディ(ロイ・シャイダー)が気づく。検査官にその点をつくと彼は「ロッカーパネル以外は全て調べた!」と返す。
ポパイは「なんだよそのロッカーパネルってやつはっ!」と喰いつく。
結果、そのロッカーパネルを開けて大量のヘロインが見つかった。
私が納得いかないのはそのロッカーパネルの場所。ドアの踏み板みたいなもので、誰でも目につき「まずそこから開けて調べるだろう」みたいな部位。
いつもこのロッカー・パネルのシーンで白ける。だがそれ以外は間違いなく第一級の映画。
この名作の続編が「フレンチ・コネクション2」として1975年に公開された。
前作で捕まえられなかった麻薬組織の大物を追って、ポパイ刑事がフランスのマルセイユに飛ぶ。
ポパイ本人には知らされていないが、彼は囮として派遣され、計画通り?に組織に捕らえられた。
ポパイは連日ヘロインを打ち込まれ、ヘロイン中毒者に仕立て上げられる。
その後、なんとか組織の手を逃れたポパイのリベンジが過激に始まる。あとはブルーレイかDVDでご覧ください。
確かこの「2」は小学生か中学の頃、劇場で観た記憶がある。
アクション少な目の頭脳戦要素が多いこの作品、当時はあまり印象に残らなかった。が、現在は一作目よりこちらの方を面白く見ることができる。
余談だが、マルセイユの角打ちシーンで、ポパイ刑事と意気投合する店主の男性が、元大関の琴欧州にそっくり。そしてこの頃のジーン・ハックマンは元大関魁皇そっくり。
大相撲ファンにも一見をお勧めできる作品です。
続編映画 藤田アルシオーネ @fujimurashione
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