第40話
スポーツを通じて、原作でも重要なサブキャラクターである『
これは俺が破滅しないために必要な努力である。
そして
俺は高鳴る鼓動を抑えながら、主人公が待つコートに足を踏み入れた。
試合開始のホイスルを合図に試合が始まる。
相手チームは、フォワードからサイドハーフにボールを回し、運動部がブロックに向かうがセンタハーフを経由し、無警戒の反対側の
「向こうのチームはフォワードとミッドフィールダーに、サッカー、ハンド、バスケを固めてやがる!!」
モブの呟きは納得のいくものだった。
どれもこれもパスが重要な競技。
だからサッカーに応用が利くんだ……。
こちらのチームは必死になって、ボール追い回す戦術なんて存在しない団子サッカーだが、相手チームはパスを回すことで、一対一あるいは複数対一と言った不利な場面を作らないようにしていた。
だが
しかし
まるでレベル差のある敵の猛攻を防ぐかのように、勝利条件が一点取るでもかなり難しそうだ。
自陣深くに斬り込まれるもののセンターバックが止めたボールがロングパスされ、それをセンターハーフが繋ぎサイドハーフである俺に届く、それを胸でトラップしストンと地面にボールを落すと、グラウンドを一気に駆け抜ける。
フォワードとミッドフィールダーを努める運動部や、クラスカーストの高い奴の動きは良いが、ディフェンダーを努める
「パスをくれ!」と反対側で手を上げている
しかし眼前にいるのは、
「――ッ!!」
「……!」
両者向かい合わせで読み合いが始まる。
サッカーと言うかフットサルは小学生時代によく遊んだ。
当時サッカーゲームが流行った影響もあったのだろう。
全員フォワードの青い監獄や、タッチ的な展開のサッカー漫画など以降もハマった作品が多く、部活には入らなかったものの知識はある。
速度が乗ったまま突破してもいい。
だが体育館の方から女子達の視線を感じていた。
やるか……
開いた股下にボールを通して突破する。
「――なッ!!」
観衆からの声が聞こえた。
「ファイトリック!?」
「そう言えば聞いたことがある……」
「知ってるのか? 雷電」
「一昔前のサッカー漫画で主人公が使ったドリブルだ」
「いや、ソールプッシュだろ……」
――と解説キャラをしてくれる男子生徒には頭が下がる。
しかし本物のΦ《ファイ》トリックは、文字通りボールと自分で相手を挟むようにして抜けるドリブル技だ。
強いて言うのなら『劣化ファイトリック』とか『
「
「元々素材はいいもの」
これもラブコメ世界の御蔭だ。
どうやらラブコメ世界はギャップに弱いようだ。
突破した直後に反対サイドにいる
ドン!
……だが
まるで捕食者と非捕食者のような絶対的な差を感じさせる。
足と顔の方向からシュートの位置を逆算したのだろう。相手チームのゴールキーパーは左に飛び込んだ。
しかし、
ボールはゴールの右側へ大きな弧を描くようにして吸い込まれていく。
刹那。
ホイッスルが数回吹かれ前半戦が終了する。
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『あとがき』
読んでいただきありがとうございます。
作者のワガママで本来【体育編】は二話の予定が膨れ上がりました。
『主人公凄い』『授業風景・日常』『現状モブになってしまっている友人キャラ
どうしてこうなった……全てはベータ版イナ〇レとブルー〇ック、エ〇アの騎士を読んだりやってしまったのが原因です。
熱い思い入れは【イナ〇マイレブン英雄たちのヴィクトリー〇ードベータ版の余談】をご覧ください。
https://kakuyomu.jp/users/a2kimasa/news/16818093075443357246
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