4‐1
「駄目だ」
案の定村長は否定的に言い放った。
まぁ気持ちはわかる。
大事な一人娘だし何より可愛いのだ。
「いいじゃない、跡取りの兄様がいるんだし」
「そういう問題じゃない、とにかく駄目だ」
「意味わかんない、理由もなしに駄目だってそう言うの?」
「とにかく、駄目なものは駄目だ!!」
怒鳴りながら言う村長に対し怯えることなく彼女は彼をまっすぐ見つめる。
「頭ごなしに駄目では示しがつきません、村の長としていかがなものかと」
ラナはそう強気に返すと村長は背を向けた。
「とにかく、駄目だわかったな」
「嫌です、私は行きます」
そう言ってラナは自分の部屋に戻っていった。
そうして村長・私・カインの三人になった。
「カインさん」
「何でしょうか?」
「本当に娘に才能があるんでしょうか?」
「少なくとも彼女には清流の才能はあると思ってます」
「そうか……私はどうすればいいと思う?」
「少なくともこればっかりは話し合う他ないかと」
正直な話、これに関しては私も同意見だ。
他人が口を出していい話ではない。
家族間の問題だ。
そう言って私達は村長宅を後にする。
すっかり夜も更けてきていた。
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