第13話

『へ〜ここが京夜君の家ですか〜

ご両親はいらっしゃいますか?』

『今は仕事で海外にいます。

なので今は一人暮らしです』

ラミアと一緒に暮らしているのがバレたら

退学にならなくても面倒なことにはなる。

『そうですか。挨拶をしようと思ったのですが』

『京夜よ、私も一緒に住んでおるんじゃが?』

ラミアが急にそんなことを言い出した。

『え?』

校長と工藤さんは驚いた様子だった。

そりゃそうだ高校生の男が女性と同棲しているんだからな。

『お前はやっぱりバカだ……

いや……出会った時からバカだったか』

『馬鹿とは失礼な!

それになぜ嘘をつく必要があるのだ?』

『普通に考えて男と女が

同じ屋根の下で暮らしてるんだ。

それに俺はまだ高校生だ。』

『私にはよく分からぬな。

とりあえず上がってくれ』

『おい!話を聞け!それにはここは俺の家だ。

お前の家ではない!』

俺の言葉を無視して全員家に入るのであった。


『結構綺麗だね』

『そうですね。

あのラミアさんと暮らしている家だと思えません』

『どんだけ汚い部屋だと思ってたんだよ……

とりあえず上がってください。お茶を用意します』

そうしてリビングへ行き、お茶を出した。

『麦茶だけしかなかったもので……すみません』

男子高校生が、紅茶なんて入れられるわけもなく、

スーパーで格安で売ってある麦茶を提供した。

『ありがとうございます』

と校長と工藤さんが言ってくれたがラミアだけが

『私の分はないのか?』と言っていた。

『ない』

『ならば直接いただくとするかの』

『ダメだ』

『ならば私の分も用意するのじゃ』

これはもう諦めよう。

そう思い俺はキッチへ向かい、

自分の腕をナイフで少し切り

コップに血を注いだ。

『しかし吸血鬼の治癒力って凄いな。

すぐに傷口が塞いだよ』

と俺が感心した。

『ラミアさんそれは何?』

と工藤さんは飲み物であろうものを

指差しながらラミアに聞いた。

『これ?これは京夜の血じゃよ。

私はこれしか飲めないからの』

『き、鬼竜くんの血?美味しいの?』

『うまいぞ〜』

『京夜君の血はそんなに美味しんですか?』

『絶品じゃ』

そう聞くと『へ〜』と言いながら

校長はこちらを見て舌舐めずりをしていた。

『カミラ……京夜の血は私の物だ……

たとえお主でも許さんぞ』

『おい……俺の血は俺の物だ。誰ものもでも無い。

お前には仕方なくやっているだけだ』

『冗談はさておき早速お話を聞きましょうか』

と工藤さんについて話を聞くのであった。

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