第11話
そうして、午後の授業も終わり放課後となり、
工藤さんはラミアの席に近寄ってきた。
『あ、あのラミアさん……』
『なんじゃ?まだ何かあるのか?』
ラミアは帰り支度をしながらそう返した。
『いや……あの……えっと……』
工藤さんは少し怯えている様子に見える。
『はぁ……何も用がないなら私は帰るぞ』
そう言ってラミアは自分のカバンを持ち。
『京夜帰るぞ』と俺にそう言って
教室を出て行った。
『鬼竜くん……
やっぱりラミアさんまだ怒っているかな?』
心配になったのか工藤さんは
俺にそんな事を聞いてきた。
『どうだろうな……俺には分からない。
でも本当に許して欲しいなら
やる事は一つしかないだろ』
『そ、そうだよね……』
そうして工藤さんはラミアを追いかける形で
教室を出て行った。
『ら、ラミアさん待って。言いたい事があるの』
ラミアさんは既に下駄箱にいて、
鬼竜くんを待っていた。
『さっきからなんなのじゃ?
要件があるなら早く済ませてくれぬかの?』
『ここでは話しにくいから、
少し人がいないところに行きたいのだけど……
いいかな?』
『私は京夜を待っている。
要件ならここで済ませてくれぬか』
『ほ、他の人には聞かれたくない事だから……』
『それはすぐに終わるのか?』
『終わる』
『良かろう』
ラミアさんと私は校舎裏に来ていた。
『それで?話とは何だ?昼の続きか?』
『ち、違う……けど続きなのはあっている』
『良かろう。なら続きをしようか』
と言ってラミアさんはなぜか構えた。
『ちょ、ちょっと待ってラミアさん!
喧嘩をしに来たんじゃないの!』
『えっ?違うのか?』
『違うよ……流石にあれだけされたら
戦意は無くなるよ……』
『それで本題はなんだ?』
『ラミアさん…お昼不快な思いをさせて、
ごめんなさい!
簡単に許してもらえるとは思っていない……
だけど悪いと思っているのは嘘ではないです。』
『そのことか?それならもうどうでも良い。
反省もしている様だし……』
ラミアさんはそう言ってもう忘れたかのように
許してくれた。
『ただお主はなぜやりたくもない事を
やったのじゃ?
どう見ても今のお主には昼のような勢いは無い……
むしろ別人と言ってもいい……
それにあんな事を言った奴が
悪いと思うはずがない……
何か引っかかるの』
『確かにお昼のあたしはなんかいつもと
違っていた。
自分の意思に関係なく、行動していた』
ラミアさんの質問にあたしはそう答えた。
そうするとラミアさんが
『自分の意思に関係なく……
勝手に行動に移した……』
と呟いた瞬間顔を青ざめながら勢いよく
『首を見せろ!今すぐにだ!』
『え?べ、別にいいけど……どうしたの急に』
『いいから早くしろ!』
そうして髪を上げてラミアさんに首を見せた。
『やられた……』
首には吸血契約された時の紋様が出ていた。
『え?なんのこと?』
『落ち着いて聞け……
お主は今吸血鬼の眷属となっているぞ……
しかも最悪の状況だ』
『え……嘘……』
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