第8話

生徒指導室に入ってきた校長は、

先ほどまでの殺気を消して、

俺たちの前に座り話し出した。


『京夜君の様子を見るに血胤契約ですね。

契約内容はどのようなものを?』

『私は京夜の血を一日一回飲む事、

京夜は私に血を一日一回飲ませる事

こんなところじゃ』

『それだけ?』

『それだけじゃ』

『なるほど……それなら悪さをする事はなさそうのですね。在籍を許可します』

と校長から伝えられて、

一応学校に通い続けられる事に俺は安堵した。


『ところで先生、今日の朝から気配に敏感になっているんですが、

これは吸血鬼だからなんですか?

ラミアや先生の気配も感じました。

誰とかまではわかりませんが……』

と朝から疑問になっていた事を質問した。

そうすると校長は

『そうですね〜聞いた事ないですね。

ラミアさんは?』

『私も聞いた事がない』

と2人共知らない様子だった。

『もしかしたら、それが能力なのかも知れません』

『能力……』となぜか少しワクワクしている自分がいた。

『さて、私の能力はどうなっておるかの〜

楽しみじゃ』とラミアは待ち遠しく話していた。


『でも、自分の学校の生徒に

2人吸血鬼がいるとなると安全面でも

京夜君、ラミアさん

には強くなってもらう必要があります。

そのため訓練をしましょう。

今日の夜学校に来てください。』

と校長から提案された。

『ですよね……

ハンターに狙われますから……』

と俺の平和な日常が消え去っていくのを感じた。

『ハンターもですが、真に気をつけなければならないのは、吸血契約した眷属とその主人です』

と校長から忠告された。


『それってどう言うことですか?

吸血鬼同士が争うってことですか?』

『そうですね。間違ってはいません。

この町にも何人か吸血鬼はいますが、

もし、危害を加えるなら応戦しないといけません』

『先生とラミアは吸血鬼と戦ったことはあるんですか?』

と俺が質問すると2人で笑いながら

『戦ったことがあるも何も、殺し合ったことがありますからね』と話し始めた。


『あれは100年くらい前ですかね?』

『そうじゃな……』

『あの時のラミアさんはやんちゃで、

吸血鬼を見つけるとすぐに喧嘩を売るような人でしたね』

『あ、あの時は……仕方あるまい』

『結局どちらが勝ったんですか?』

『……カミラじゃ……こやつは異常じゃ、

お主と2人がかりでも倒せぬ』とラミアは悔しそうに答えた。

『そして、悪さをすることは

無くなりましたもんね』と笑いながら校長は話していた。

『とりあえず、学校にはちゃんと来て、

勉強をしてくださいね。

後は教室に戻って授業を受けてください』

そう言って、校長は生徒指導室を後にした。


そうして、俺たちが授業に戻ったのは

3時間目の途中であった。

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