第7話

ラミアの自己紹介と共に俺が

吸血鬼である事が明かされると、

クラスメイトの玉楼を抜いた全員が

ざわつき始めた。


そして、玉楼はこっちを見て、

何やらニヤついている。

『あいつ楽しんでるな……

人の気も知らないで……』

谷口先生がその場を収める為に

『皆さん静かに!

ラミアさんの席は、

知り合いである京夜君の隣です。

ちょうど空いていますし』


谷口さんよこいつを隣に置くのだけは、

辞めてくれ……。そう思ったが、

多分その意見は通らないであろう

と思い諦めるのであった。


そうして、朝のホームルームが終了すると

谷口先生に『京夜君、ラミアさん

ちょっといいかな?』と呼ばれた。

絶対ちょっとでは済まないと思い、

ラミアをつれ教室を後にした。


『私達を呼び出すとは要件はなんじゃ?』

とそんな事をラミアが話していると

生徒指導室に通された。


『初めにラミアさん自己紹介で、

言っていた吸血鬼って、

あれは本当のことですか?』


『なんじゃ?気付いておらんかったのか?

てっきり知っておるものだと思っておったぞ』

『いや…気付かないだろ』


『そうなると京夜君が昨日、白髪に染めて、

カラコン入れたのは痛い人になったからではなく、眷属になったからって事ですか?』

『そうですね……眷属になったって言っても

信用してもらえないと思えたので……

すみません……』


そう謝罪すると谷口先生は頭を抱えて、

『一度、校長先生と話し合いましょう』

そう言って校長先生を呼びに行こうとする

谷口先生にラミアは『校長も吸血鬼じゃぞ?』と告げ、

『そ、そうですか……

と、とりあえず呼びに行きます』

と疲れた様子で谷口先生は校長を呼びに行った。


『校長も吸血鬼だったなんてな〜

お前なんで知ってるんだ?』

『ちょっとした顔馴染みじゃよ』

『ふ〜んお前どうして学校に来たんだ?』

『単純に契約上お主の血しか飲めないし、

学校というものに興味があったのじゃ』

『契約上?どう言う事だ?』

俺は理解できずに聞き返した。

『吸血鬼の契約には2種類ある』

『1つは吸血契約(キュウケツケイヤク)

これは字のままで、吸血した時に強制的にされる契約じゃが、眷属は自我を失い、奴隷のようになり、主人の命令がないと動くこともできない傀儡となるが、戦闘面では最強と言われるほど、

身体能力が上がる上に

何人でも眷属にすることができる。』


『もう1つはお主と私の間にある契約、

血胤契約(ケツインケイヤク)

これは吸血鬼の血を与える際に

条件をつけて契約する。

そして、吸血契約とは違い、眷属には意識もあり、自由に行動できるが、契約を遵守しなかった場合は、主人、眷属共に灰となり死ぬ、

そして、お互いに特殊な能力が得られるが、

人生で一度だけしか行えない』


『マジかよ……てか、なんでそんな大事なこと黙ってたんだよ』

『忘れておったのじゃ!』

『ところでどんな契約をしたんだ?』

『ラミア・バトリーは

一日一回以上、鬼竜京夜の血を飲み、

今後口にできるものはそれだけとする。

鬼竜京夜は一日一回以上、

ラミア・バトリーに血を飲ませる事』

『どうせ、そんな事だろうと思っていたよ』

『まぁ、お主の場合は気を失ってたし、

死にそうだったから仕方あるまい。』

と話しているとラミアの時に比べて、

押しつぶられそうな気配を感じ、

ラミアの方を向くと顔色一つ変えず、

入口の方をじっと見ている。


こっちは、意識を保つのですらやっとなのに

なんて精神力なんだよ。

そんな事を思っていると生徒指導室の入り口が開かれ、校長が中に入ってきた。


『お久しぶりですね、ラミアさん。

そして吸血鬼の世界へようこそ鬼竜京夜君』

『久しいのカミラよ』

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