第6話
俺の朝は早く五時には目を覚ましている。
しかし、今日は布団の中に何かいる感覚があった……
『いや…まさかな…』
と思い布団を捲るとラミアが眠っていた。
『最悪な目覚めだ……』
一応客人用の布団を床に敷いて
そこに寝かせたはずだが、
まさか寝ぼけて入ったとか?
『確か夜に強いと言ってたな……って事は
意識がはっきりした状態で入ったってことか……
あとで説教だな。
それにしても寝顔は……可愛いな……
っていや何を考えてるんだ俺は!
顔洗ってこよ……』
そう思い洗面所で顔を洗いカラコンを付けた。
『よし!どう見ても普通の人間だ!
そう言えば玉楼から返信来てるかな?』
そうしてメールを確認すると玉楼から
『どこからどう見ても人間だ』と返信が来てた。
『飯食って学校行くか。
そうだ念のため、あいつの為に朝と昼の作り置きしておくか』
そうして、いつも通り朝食を摂り、
ラミアにメモを残し、学校へ向かうのであった。
『やっぱりあっついな〜』と思いながら日陰を通って登校していると玉楼らしき気配を感じ、
『おはよう、玉楼……お前何をしようとしてる?』
と玉楼に質問すると
『なんだわかってたのか、
頭を殴ろうとしてた。
ってかなんでわかった?』
『なんとなく気配を感じた』
『京夜……吸血鬼になったからって、
厨二病にならなくてもいいんだぞ?
悩みがあるなら聞くぞ』
と的外れの見解をされたので、
『玉楼……本気で思ってるのか?』
『違うのか?』
『全然違う!多分吸血鬼になって、
身体能力が増加した影響なのかも知れない』
と自分でもよくわかっていなかったから、
帰ったらラミアに聞いてみる事にした。
『ところで、京夜お前オカルト研究会に入らないか?』
『なんでだ?』
少し疑問になったので玉楼に聞き返す。
『いや〜特に理由はないけど、
やっぱり吸血鬼ってオカルトじゃん?
お前だって吸血鬼なったばかりで、
わかっていないこともあるだろうから、
それを調べる為にも入らないか?って事だけど』
『なるほど……ちょっと考えておくよ』
こいつなりに考えてくれてたんだなと
少し嬉しい気持ちになった。
『分かった。決まったら教えてくれ』
まず、部活に入ったら帰りが遅くなるから、
ラミアは怒りそうだし、なんなら昨日以上に血を吸われかねないから、これも帰ったか聞くか。
そうして、学校に着くとなんか、
なんか悪寒を感じる視線をめちゃくちゃ感じる。
『なんか俺たち見られてないか?』
『そうか?気のせいだろ?』
『気のせいか?ん〜』
と少し疑問が残るが気にしない事にした。
そうして、朝のホームルームが始まると
谷口先生が『急ですが、今日は転校生が来ます』
そう発表すると男女問わず、ざわめき始めた。
その中で、俺一人だけ冷や汗が止まらなかった。
朝、校門で感じた気配と同じだ……
ま、まさか吸血鬼?それともハンター?
と色々考えていると谷口先生が
それでは転校生の『ラミアさんです』
と言われて、冷や汗は止まったが、
もう最悪の気分になり、顔が真っ青になっていた。
『終わった……俺の高校生ライフが……』
そんな俺とは逆にクラス全体は喜び、
一部泣いている生徒がいた。
『それではラミアさん自己紹介をお願いします』
『うむ!』そう返事する。
余計な事は言うんじゃねーぞ!
そう思っていると神の悪戯なのか、
ラミアと目があって、不敵な笑みを浮かべ、
あぁ…俺はもうダメだ……そう思っていると
ラミアの自己紹介が始まった。
『私はラミア!ラミア・バトリーじゃ!
よく聞け人間!私は誇り高き吸血鬼一族!』
その時点で先程まで騒がしかった教室が、凍り付いた。
やめろー!それ以上余計な事を言うなー!
と頭を抱えて怯えていると
『そして、そこで頭を抱えておるのが、
私の眷属の鬼竜京夜じゃ!』と指を刺し指名された。
本当に終わった……俺の高校生ライフ……
そうしてクラス中の視線がこちらに集まるのであった。
『もうやだ……帰りたい』
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