第5話

夕方となりそろそろ夕飯を作ろうと

思っていた時ラミアが起き、

『ん〜大分寝たの〜』と背伸びをしていた。


そしてラミアは俺の髪の色と目の色が

変わった事に驚き、

『どうしたんじゃ?その髪と目は!』

と聞いてきた。


俺は事情を話したが納得していない様子で、

『いつの時代も吸血鬼には厳しい世の中じゃな』

と少し呆れたようにラミアは話した。


『そんなことよりお前は、

俺の家にいつまで居るつもりだ?家はないのか?』

『家は無いぞ』

『それにお主の主じゃぞ?ずっと一緒にいるつもりだ。

この家は広くて、部屋も余っておるし問題無かろう』

『あの部屋は父さんと母さんのだ。他の部屋なんて物置しかないぞ?』

『ならば、お主の部屋にいる事にするかの』

『ダメだ』

それだけは絶対にダメだ。

こいつ絶対寝ている時に血を吸ってきそうだし……

『まず父さんが許すかもわからないし……』

『それでは聞いてみれば良いじゃろ』

無理と分かればこいつも諦めて、

家から出ていくだろう。

そう思い席を外し、父さんに電話をかけた。


『父さん……信じてくれるか分からないけど、

吸血鬼の女の子が家が無いらしくて、

家に住みたいって言ってるんだけどいいかな?』

『いいぞ!なんならそのまま嫁にしてしまえ』

とガハハと笑いながら相変わらず訳の分からない事を言われて、秒で一緒に暮らすとこを許可された。


『でも吸血鬼だぞ!吸血鬼!』と言葉を返すと

『それがどうかしたのか?』

『どうかしたかって……得体の知れない奴だぞ?』

『俺は構わないぞ?母さんは……いいみたいだ』

『……』

『お前とその吸血鬼の子に何

があったかは知らないが、

男なら女の一人でも助けて見せろ』

『部屋はお前と同室だ』

と言われ通話が終了した。

『マジかよ…』

『どうじゃった?』

『いいってよ……そして部屋は俺と同室だ』

『やったー!これでお主の血を飲み放題なのゃ!』

とラミアは聞き捨てならならい事を言い出した。

『ちょっと待て!俺の血は吸わせない!』

『どうしてじゃ!』

『ダメなものはダメだ!

飯は俺が作るからそれを食べろ!』

『いやじゃ!いやじゃ!いやじゃー!』

とラミアは子供のように駄々をこね始めた。

『子供みたいに駄々をこねるな!何歳だよ!』

『300?くらいかの?それからは数えてない』

『え……さ、300?江戸時代から生きてんのか!』

不老不死って言ってたし、

そんなに不思議な話でもないのか?

『しかし300にもなる大の大人?が

こんな駄々をこねるとは……流石に引くな……』

さて、このうるさいロリババアを

どうやって宥めたものかと悩んでいると

急に駄々を辞めて背後からラミアが飛びかかり、

俺の首に噛み付き、血を吸い始めた。


『辞めろ!離れろ!』と振りほどこうともがくが

流石は吸血鬼、力がとんでもなく強くて

振りほどけない。

そうしているとラミアが離れて満足気に

『美味であったぞ!明日もよろしく頼む!』

と言われたが、俺はこれからの生活を考えると

億劫な気持ちになった。

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