第4話

外に出た瞬間凄まじいほどの暑さと眩しさに

目が回るかと思った…

これが吸血鬼にとっての日差し…

ちょっときついな…

と思いラミアの方を確認すると

『お前…大丈夫か?ってこれでは散歩は無理か』

隣でラミアが目を回して倒れていた。


『たっく…しょうがねーなー!』

そのままラミアをベッドに寝かせ

朝食の準備をした。


朝食は食パンに目玉焼きと質素なものだが

朝はいつもこんなものだ。


『しかし、いつも以上に腹が満たされないな…

これも吸血鬼になった影響か?』

これが毎日続くとなると

少し食費を考えなければいけないと思った。


『とりあえず学校に行くかー』

と身支度をしていると後ろから

『なんじゃ出かけるのか?』

と目を擦りながらラミアが声をかけてきた。


『まぁ一応学生だからなー』

『そうかーいつ帰るのじゃ?』

『夕方かな?』

と答えるとラミアは驚いたように

『ゆ、夕方までお主の血が飲めないだ…と…』

と顔を青ざめていた。

『吸血鬼は血を飲まなくても生きていけるんだろ?』

『朝食は用意しておいたからそれを食べろ

昼は自分でどうにかしろ』

『じゃあ俺は行くから余計なことはするなよー』

と俺は学校へ向かうのであった。


吸血鬼になって初めての登校で少し緊張していた。


『それにしても日差しがきついなー出来るだけ日陰を通るか』

そう思い俺は日陰を通って学校へいると

後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。


『京夜!おはよってお前なんだよ!

その髪は?それと目!

もしかしてイメチェン?目はカラコン?』

と言われて気づいた。


『おはよう玉楼…これには深い理由があって…

聞きたいか?』と気だるげに

そう尋ねると玉楼は興味津々に

『聞きたい!』

そう答えるのであった。


俺は昨日の夜に起きた事を話した。


吸血鬼の少女を見つけた事

その少女が吸血鬼のハンターに

殺されそうになっていた事

それを庇ったら死にかけた事

その吸血鬼の少女が俺の血が好物になって

血を与え眷属にされた事

話し終えると玉楼は

流石に信じられないと言った表情をしていた。


『そりゃ信じられないよな…』

『いや信じられないだろ…

太陽が出ているってのに

吸血鬼が外を出歩くなんて』

やっぱりそこだよな…

と思い先程ラミアから教えてもらった事も話した。


『俺を眷属にした吸血鬼曰く日中でも

動けるらしいから社会的に普通にいるんだとよ』

『なるほど…って…え?普通にいるの?吸血鬼!』と食いつくように玉楼は質問してきた。

『さすがオカルト部食いつきがすごいな…』

『俺もよくわからないがいるらしい

とりあえず信じてもらえたか?』

『すまんが、正直まだ信じられない』

『そうだよな…こりゃ学校だととんでもないことになりそうだ…』


そしてようやく学校に着いたのはいいが、

今日は運が悪いことに

生徒指導の教師の松本先生が校門前に立っていた。

それに気づいた玉楼は俺の肩に手を置き

『京夜…お前はいい奴だった…』

と玉楼は俺を置いて先に歩いて校門を通っていた。

『マジかよ…』

と諦めながら校門に向かうと案の定、

『おい…止まれ』と松本先生に止められ、

そのまま生徒指導室へ連行されるのであった。


そして、生徒指導室で俺の担任谷口先生と松本先生の二人に指導されていた。


『真面目だったあなたがなんで髪を染めてカラコンなんか付けて学校に来るの?』と谷口先生が質問したが、流石に吸血鬼の事を話せなかったため、

『朝起きたら髪の色と目の色が変わってました』

と答えたが流石に納得されず、

その後、数時間指導を受け

身だしなみを元に戻すまで学校に来ないように

指導を受けた。


『そりゃ…そうなるわな』と言葉をこぼしながら

俺は学校を後にし、途中で黒髪用のヘアカラー、元の目の色の茶色のカラコンを購入した。


そうして家に着くとラミアは、

俺の布団でぐっすりと眠っていた。

『呑気な奴だなー

こっちはお前のせいで酷い目にあったってのに…』

そう言葉ももらし、

俺は洗面所で髪を黒に染め直し、

カラコンを付けてみたが、少し違和感はある。

一応元の姿に近くはなったが、

なぜか違和感がある。

念のため写真を撮り

玉楼に送信して確かめてもらうことにした。


髪が染め終わったのは夕方だったため、

そのまま学校を休んだ。

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