4年生 4
4年生も終わりに差し掛かっていたある日。
私は急にすごくお腹が痛くなって目が覚めた。
ベッドの上でしばらく悶えていたけどどうすれば良いのか分からずトイレに行った。
すると下着が汚れていた。
パニックになった私は生理なんて思い浮かばず、父に言うのも怖くて初めて父の彼女に内緒話の様にコソコソ話しかけた。
本当はアレックスに相談したかったけど学校前に行く事はなかったから理由を聞かれるのが怖かった。
父の彼女に「お腹が痛くて、下着が汚れてて…どうしよう」と話すと「生理なんじゃない?」とあっさり言われた。
私はパニクった頭で、生理……生理……と考えやっと保健の授業です習った事を思い出した。
赤ちゃん出来る準備……どうしよう……私は更に困った。
思わず「どうしたらいいの?」と聞いていた。
「ナプキン付ければ大丈夫」と言われてナプキンを渡された。
新しい下着とナプキンを持って部屋に戻って分からないなりにナプキンを付けた。
その間もお腹が痛くて痛くて仕方なかった。
階段を降りようとしても足が動かなかった。
一緒の班の子が呼びに来ても降りてこない私を父が呼びに来たが痛くて学校なんて行けない……怒られるけど言わないと……と蹲りながら父に「ごめんなさい、お腹が痛くて…学校を休ませて下さい」とお願いした。
案の定父は怒ってずる休みするなとか怠けるなとか怒鳴って居たが、初めて父の彼女が私に味方した。
「生理なんだって。休ませてあげたら?」本当に初めてだった。
今まで私が殴り飛ばされてもそれこそ血が出る事があっても庇ってくれた事なんてなかった。
父は不機嫌だったが私をチラッと見て「そんな事くらいで……寝とけ!」と怒鳴って仕事に行った。
私は「ありがとうございます」と父の彼女にお礼を言ってベッドに横になった。
パジャマに着替える気力もなくてそのままベッドに夜まで居た。
運が良かったのは翌日が土曜日だったこと。
学校が休みだった。
お昼前にはいつものように父と彼女はパチンコに出かけた。
私はそろそろと歩きながら何とかアレックスの所に行った。
本当に隣で良かったと思った。
アレックスの家に入って私はその場にしゃがみ込んだ。
アレックスが「どうしたの?大丈夫?昨日来なかったから心配してたんだよ」とすぐに来てソファーに運んでくれた。
私は何となく言いづらかったけど「生理が来た」と伝えた。
アレックスは「僕のお人形さんは大人になったんだね」と笑って私の頭を撫でた。
アレックスは毛布を掛けてくれて、「体辛いならゆっくりしてて」とクッションを持ってきて楽な体勢を探してくれた。
そういう対応もアレックスは完璧だった。
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