2年生 2

アレックスの家におもちゃが増えて、なっちゃんとアレックスの家で遊ぶ事も増えた。

アレックスの家で秘密基地を見たなっちゃんは「すごい!いいなぁ!」と楽しそうで私も嬉しくてなっちゃんを何回も家に連れてきた。

アレックスが帰ってくるとなっちゃんの門限も近い合図で片付けたり、明日のために分けて置いたりしてバイバイしていた。

なっちゃんが帰ると私は走ってアレックスの所に行ってたくさんおかえりのキスをした。

外と一緒で、なっちゃんの前でもキスはダメだよと言われていたから帰ってからする事になっていた。


今日も父はパチンコに直行らしく帰ってくるのは遅いよ、とアレックスから聞いたけど別に寂しくなかった。

アレックスが居てくれるから大丈夫!と私はもうこの生活に慣れていた。


毎日が異常だけど私にはその異常こそが普通。


当たり前に過ぎていくだけだった。


夏休みになると毎日プールに行った。

近くに公営のプールがあったからなっちゃんと毎日朝から夕方まで泳いで遊んだ。


週末はアレックスも一緒に来てくれた。

プールで鬼ごっこしたり、水中ジャンケンしたり、人が少ない時は抱っこして投げてくれたりと色々遊んでくれた。

父は私が毎日プールに行けるだけのお小遣いはくれたが一緒に行く事はなかった。


プールが休みの日はアレックスの家で遊んで過ごした。


なっちゃんもアレックスの家に来る事に慣れて、来るとすぐにおもちゃの準備をしたり、お菓子を出して一緒にテレビを見たりと毎日楽しかった。


夏休みのなっちゃんの門限は30分伸びて18時だった。

アレックスが帰ってきてからも少し遊べるから3人でかくれんぼしたりして遊んでいた。


ある日アレックスが「新しいかくれんぼをしよう」と提案してきた。

私もなっちゃんも楽しみでなになに?と話を聞いた。


新しいかくれんぼは宝探しとかくれんぼを一緒にする事だった。

宝物を見つけてからそれを隠した人を探す。

宝物を隠すのは1人だけ。

隠れる人はまず宝物を隠す人を決めて、その人は隠してから自分も隠れる。

宝物を持って隠れるのはダメ。


「面白そう!」私もなっちゃんも喜んでやると言った。


最初はアレックスが鬼で私となっちゃんが隠れる番だった、私は宝物をなっちゃんに隠してとお願いして自分は隠れた。


しばらくするとアレックスが探し始めて宝物となっちゃんを見つけた。


どうしてなっちゃんが隠した事がわかったの??と何度聴いてもアレックスは「すごいでしょー」と笑って教えてくれなかった。


なっちゃんが鬼になった。

今度は私が宝物を隠したい!とアレックスに言って決まるとアレックスは2階に隠れに行った。

私は宝物をカーテンのレールに挟んでわざと家の中を走り回った。

どこに行ったか分からないように。

私も2階に隠れに行った。

アレックスがどこに居るか分からなかったけど私は押し入れに入って隠れた。

少しするとなっちゃんが宝物を探してる音がした。


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