3.……本当に魅力がない気がしてきた

 3つとか3行とか無理なんですけど。そういう方はチャンス。足りない分を純粋に足せば良いんです。足すだけです。例えばアクションを入れてみるとか、SF要素をぶち込んでみるとか、主人公たちにトラウマを植え付けるとか、あるいは逆に何かスカッとするようなカタルシス的なものを付け加えるとか。足すのは簡単です。言うのも簡単。


 足りないなら足せばいいんですが、問題は軸がぶれてる時。つまり、魅力があるように見えてしまっている時。そんなに欲張っちゃいけません。その魅力で挙げたポイント、いったん全部「付箋」に書き出してみてください。そしたら次に、似た要素同士を近づけて配置する。そして一つの大きな「面白さ」にする。その追及(追求)を繰り返して、三つの面白さに絞ってみてください。「どこのグループにも属さない面白さ」は思い切ってオミットしましょう。削除です。切り捨てです。


 とか言ってますが、これ創作論じゃなくて私のやり方ですからね。こうしたら良くなるとかいう保証はないですよ。数多く書いてきた私自身が「すっきりしないなぁ」と思った作品をバラしていったらこうなった、という経験談だと思って受け取っていただければ。


 話を戻しまして。


 で、それで小説の流れはかなりスッキリするはずです。整理された流れというのは、読者に安心感を与えます。テンプレに忠実な作品がウケている現実を見れば、作者がどういおうと、読者が何を求めてるかは明白ですよね。そして「三つに絞られた面白さ」をブーストするんです。少々大袈裟に。


 そんなわけですから、作中に於けるテンプレ破り、堤防決壊、どんでん返しは、一度で良いんです。何度もやるという作品もありますし、もちろん「だめ」じゃないんですけど、「自作の面白さがわからない……」とか言っている段階の方には複数回使用はちょっとレベルが高すぎるように思いますよ。

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