2.その作品の魅力を3行で語れ

 その分析的観念を確立した上でですね、すべては。ちなみにこの「三行」は喩えです。「こことここがこうなってこうなるのがポイント!」って感じでサクッと言えればいいかな? 後述しますが。


 ただ、その「分析」が完璧である必要はこれっぽっちもなくて、ただ「言語化」できればいい。「この作品における面白さは〇〇である」と言えさえすれば、おのずと修正やら何やらもその方向へ向かうはず。ただ、漠然と(言語化せずに)面白さの存在だけを肯定していても、それはいわば自己満足。「作品の魅力を3行で語れ」と言われて即座に語れない作品は、つまり、その作品に於いて、作者の「面白さ」の軸がぶれているということです。


 何度もいいますが、作者の中で「おもしろさ」というものが確立されていなければ、物語の「おもしろさ?」も良くてブレブレになります。もっといえば「この物語はこうこうこういう性癖の人にぶっささる!」と確信を持てているかとか、そういう話になるかなと。結局「性癖」が大正義なんだと私は思っています。作者はたいがい変態で多方面性癖を持つ生物と思っているのですが、ゆえに、特定の性癖を狙った作品を生み出せるのではないかと。汎用ユニットより特化ユニットのほうが使いやすいじゃないですか、シミュレーションゲームだと。そういう話です。


 で。


 「面白いかどうかわからなくなった症候群」にかかったと思ったら。まずはその作品の魅力を3行で語ってみましょう。3項目箇条書きでもいいです。多くても少なくてもダメ。面白さと称してダラダラ書けるのは、まして面白さ?というのがブレている証拠です。そして、3つも書けないというのなら、それは自分の作品の掘り下げ不足です。そもそも本当に面白くないのかもしれません。作者自らをして3つの「面白さ」がパッと浮かばないというのなら。「面白さ」は「セールスポイント」です。


 厳しいことを書きましたが、別にしょげる必要はないのです。

 「掘り下げ」て、「面白さ」を明示できるようになればいいという話です。


 面接でもそうでしょ。

 「あなたの長所はなんですか?」――そもそもこれに答えられないと受かりませんよね。

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