第4話 神魅の儀式3
「わぁ〜」
「ここが今日儀式を行う『リンフォルン大聖堂』だ」
「懐かしいわね。ここに来たのはいつぶりだったかしら。私もレインと同じ頃に来た以来だけどいつでも圧倒されるわね」
黄色みがかった大聖堂には佇む巨大な神の像が2体。それを守るように3体の中くらいの像が立っていた。周りの窓はすべて神話にまつわるステンドグラスがはめられていて太陽の光が神様の神々しさに磨きをかけていた。
「おお!カイル殿!ご無沙汰しておりますなぁ」
「マイル殿!久しぶりだな!元気だったか!」
後ろから一人の男がお父様に声をかけた。いかにも勇ましそうな男性だった。
「ああ元気だ。そっちも元気のようで安心したよ。そちらはレインくんだね。私はマイレントン=リリーシュ。君のお父さんとは昔からの仲でね。武技で戦っていたよ。」
「はじめまして。レイン=コンフォートです。」
「おやおや、こんなに小さいのにこんなに礼儀正しいなんて。羨ましいな。うちの娘はこういうのが苦手で。」
「いやいや、レインが特別なだけだよ。そういえばマルタ嬢は?今日は来ていないのか?」
「最近具合があまりよろしくなくてだな。体調のことも鑑みて諦めてもらうことにしたよ。娘の晴れ姿を見たかったんだろうがちょっとな。」
「そうか。それは残念だ。ところで君の娘マインちゃんはいないのか」
「あそこにいるよ。あの子は女王気質でもあるのかわからんがもう同年代の子を従えているよ。ほらあそこ。」
マイルさんが指を指した先には真っ赤なドレスを身にまとった少女がいた。マイルさんの言った通り、周りの男女を従えていた。強い。
「おーいマイン!こっちに来てくれ!」
「なんですかお父様。おや...はじめまして。マイン=リリーシュです。よろしくお願いいたしますわ。」
「私はカイル=コンフォート。こっちが息子のレイン。そして妻のアイヤだ。よろしくな。」
「よろしくね。マインちゃん。」
「レイン=コンフォートと申します。よろしくお願いします。」
「ええ。よろしく。」
少し素っ気ないような気がするが、それが彼女の女王気質に磨きをかけているんだろう。
「皆様まもなく儀式が始まりますのでご着席願います。」
「ん。そろそろ始まるのか。レイン席につこう。ではマルタ殿、また今度お会いしましょう。」
「わかった。ではまた。いくぞマイン。」
「はい、お父様。」
続々と他の子たちも席に座っていく。
「皆様ようこそお越し下さいました。私は皆様の神魅の儀式を執り行うジルバと申します。今日はよろしくお願いします。まず始めに儀式の前に神話についてお話いたします。これは昔々の_____」
それから一時間ほど神話を聞いた。途中途中で疲れた...まだなの?...もう聞き飽きたよぉ...という声がちらほら聞こえてきた。俺も疲れた...
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