掌編「ずれても最高」


「おばーちゃん、死んじゃった……」

「かもね。でも……死んだとは言っても、きっと世界を『ずれ』ただけなんだ」

「ずれた……?」


「うん。神様が君のおばーちゃんを、隣の世界へ、ぐいっと、手の甲でずらしただけなんだと思う。それを僕たちは大昔から『人が死んだ』と言っただけ――

 だからきっと君のおばーちゃんは、ずれた先の世界で元気に暮らしていると思うよ」


「そっか……。

 おばーちゃん…………隣の世界でいつもみたいに眩しいクラブではしゃげてるかな……?」


「アグレッシブなおばーちゃんなんだね……」

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