第32話 バットアンサー

「さて?何か言いたいことはありますか?」


にっこりと笑うその笑顔は新校長の胃痛の現れでもあった


「?私は押し付けられた仕事をゴリ押ししてるだけだよ?」


「右に同じですぅ」


「左に同じですわ!」


「3人と同じく」


「……ええ分かりました!……貴方様方をもう擬似的に卒業させます!……ええそれがいいでしょう!」


──こうして私たちは卒業となった。



それから3日たったある日、学校との連絡が途絶えた


私は近くの山(50キロ先)で山の主を狩っていたところだったのだが、少し心配になったとのことで一応見てみることにしたのだ


まぁ久しぶりの学校に戻った感想は一言


「……学校ってこんな形だったっけ?」


である。それについてレフィアも


「どう見ても別物ですわ……」


との事。よかった私だけ集団幻覚を見てたわけじゃないね


ちなみに、ノエルとフォールには学園の外で待機してもらっている。

なんかやばそうならまとめて消し飛ばしていいとノエルに伝えているので、万が一はないだろう


私はレフィアと共に中に入る。そこは前まで通っていた学園とは

訳が違う事になっていた


そう、まずどう見ても魔王城なのだ。


◇◇◇


「学校内にゾンビっていたっけ?」


「いませんでしたわ!……ええい邪魔ですの!消し飛びなさい!」


エントランスルームをぶっ飛ばしたあと、泣きに入った私たちはゾンビの群れを目撃していた。


ゾンビかーと私はため息をこぼす。


チェーンソーはよくゾンビ映画に使われる。それを加味するとある意味今の私は最適装備なのだろうか?


分からないが、とりあえずチェーンソーのモードを変更する。


あれからさらにチェーンソーは進化して、前まで紐が付いてたところにローラーのような装置が着いた。これを回せば回すほど火力が上がるというものだ


それを片手に私は


「さて、ゴリ押しの本領発揮と行きますか!」


なんて呑気に呟いた。

───これが全く呑気な話ではないと言うことを私たちはまだ知らない



◇◇◇



「……ちくしょう!……みんな生きてる?!」


かつてAクラスがあったそこに盾籠った生徒たちはかなりボロボロになっていた


あの先生達がいなくなった次の日に、突然学校にゾンビの群れが押し寄せ、気がつくと学園内のありとあらゆる場所でゾンビパニックが起きていた


CクラスとBクラスは皆やられた。と言うことが伝わってきた時、流石に強気でいたAクラスの生徒たちの間にも動揺が走る


それでも、セピアの指示のもとなんとか今まで立ち向かっていたのだが、1人の生徒が発狂し


クラスの中で暴れ、その隙を着いたゾンビの猛攻によりセピアだけが生き延びるという壮絶な展開となっていた。


ちなみに先生たちはまっさきに立ち向かい、倒された。


「あとは……頼みましたよ」


なんて言葉、言わないで欲しかった。

そうセピアは塞ぎ込みながらぼやく


結局、自分はただの凡人だということか……


「ははは……私はあの4人みたいな強さは……いや……主人公性は無かったんだなぁ……」


私は疲れ果てた体に鞭を打ち立ち上がるが、既に寝ずにここまでやってきたのだ。


そのままばたりと倒れ込む。


「ああ……ごめんなさい……カイン……アベル……2人とも……私もそろそろ……」


もう、疲れた。楽になりたい……そう思いながら私はゆっくりと目を閉じ──




「──まだ寝るのには早いですわ!」


そんな声で叩き起される。


「オラオラオラァ!あ?、なんだゾンビ共!おめぇらは整列も出来ねぇのかあ?!」


鉄火の花火が炸裂し、チェーンソーが地面を抉る音がした


その光景はさながらヒーロー映画のヒーローの登場のような


──そんなかっこいい姿に見えたのだ

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異世界攻略の最適解が『ゴリ押し』一択だった件〜魔王?神?殴ればいつか倒せるでしょ? 皆月菜月 @Cataman

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