第29話 そして学院に続くのだ

ワンパン、で倒れた『金色』。

最早語る必要があるのか?と言うレベルの可哀想な姿でそいつは地にふせる


「?あれ?もう終わり……?はあ……ガッカリなんだが?なんかよく分かんねぇ単語羅列ばっかしやがって……末期のソシャゲかよっての」


彼女のスキル『戦闘時継続強化』は当然、戦闘が長引くと強くなるのだが、その効果を切らしていなかったが故に


彼女の今はなった攻撃は、当然その効果を受け、大地を簡単に引き裂ける程度の火力へと変化していた


当然、そんなものをくらえばひとたまりもない訳で


『が、がぁあああ!!有り得ぬ、有り得ぬのだ!?我が、金色の魔王がこんな所でくたばるなどあっては……ならぬの』


ぐしゃっと言う音と、卵の殻を割った後のような得体の知れない匂いが充満し、金色は気絶する


「さてと、や〜っと静かになっ……」


『困るんだが?うちの仲間をボコすのは』


「また獲物が……ってお前たしかどっかで会ったような……」


『そりゃそうだ。いつだったかうちの魔族がお世話になったな……俺の名は』


「カミカミローン?」


『……カガミ=ロウだね……もうちょいましな間違いかたしてくれないかな?』


むしろ彼女的には、カとロとミがあってるだけましな方なのだ

ンがどこから来たのかは知らない


『カガミ……貴様……俺をバカにしに来たのか?』


あ、立ち上がれたんだ。なんかこの世界のヤツらタフだね


『バカと呼ばれたいのか?全くだから言っただろうが……こいつには手を出すな……って』


ん?初耳なんだが


びっくりする私を尻目に、そいつらは


『まあそういうわけで、さらば!』


捨て台詞すらなく、逃げていった。


ちょうどそこに、蜘蛛のやつと鎌のやつも吹きとばされたのか、地面にめり込んでいた


さて、それはいいのだがひとつ大問題が生じていた。それこそが


「……で、学院の話なんも無しですか?」


既に気絶した元校長は捕まえられていたが、どう見ても喋れるような感じではなかった。

とすると誰かが新たな校長になる訳で


「君たち……ありがとう……我々はかねてよりこの学校に関する問題を解決しようとしていたんだが……どうやら君のおかげで無事解決できたみたいだ」


何人もの先生にそう言われたので、私はため息つきながら答える。


「なんでもいいけど、学校はどうなるんだい?」


「もちろん、私が引き継ぎます!……あ、私はバロンと言いまして、副校長をやらせてもら」


私たちは、とりあえずその場を離れる。


「結局、あれはなんだったんですの?」


レフィアの答えに誰も返せない。そもそもなんか勝手に巻き込まれて、勝手にボコしたら勝手に解決しただけなので





◇◇◇◇◇ここで解説。あ、私は神様


本来、このルートを選択するには学院に入学してから校長の怪しいところに気が付き、それを追う中で沢山の犠牲を目にして


それでも校長を追い詰めるところまで行くけど、最後は『金色』の魔王によって打ちのめされて、そこで主人公はより強くなりたいと願い、新たな力を習得するというルートなのだけど


今回、リツちゃんはガン無視だったので、言ってしまえば

を全て破壊して、それらの残骸をくっつけて貼り直した感じ。


本当に厄介、こんな厄介なやつを誰が呼び寄せたのか聞きたいぐらいの問題児。


異世界人は時にイカれたやつを呼び寄せることがあるけど、そん中でもこの子は異端。


この世界のシナリオをガン無視して進むから、それによって世界がどんどんおかしくなってる。


はぁ……止めなければ……



独白は独り寂しく、神は干渉できないもどかしさを噛み締めて


◇◇◇◇◇



「で?私たち合格なの?」


私はいきなりバッチを手渡されたので意味がわからずに聞き返す。


「ああ、君たちは全員合格だよ!」


割と投げやりに合格になったそうである。


ふーんと、思いつつ私は当たりを見回して、ふと気がつく。


「あれ?フォールは?」


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