第22話 第二の試練

──次の試練開始!と言われたけれどそもそも試練の内容が分からないんですけど?


私がそう聞くと、レフィアはこう答える。


「ダンジョン攻略ですわ……!この学校の下にはダンジョンが隠されていますの」


ダンジョン?と私は思いつつ、まぁ何とかなるでしょうと考えていた。


──甘かった。


いや、正確には甘かったというか……ダルかった。


まずダンジョンにはいるためにやるべきことが多すぎた

私は元来書類とかを書くのが面倒な性分で、それ故に大量に書類を書かされたことで今までで1番疲れ切っていた。


「(異世界まで来てやることがこれとか夢が無さすぎるって)」


何とか書類を書き切ると今度は……

遺書を書かされた。まどろっこしいにも程があるぞ?と私は思い


「これってなんで書くんですか?……まどろっこしいにも程があると思うんすけど」


そう言うと、先生からこんな答えが帰ってきた


「……まぁ毎年死者が出てますし」


そんなに危険なら先生を連れていくぐらいでいいだろが……とは私も思ったが


まぁゴリ押しするのに変わりは無い……ということで


◇◇


「で?……まさかの2人1組とは……ね」


私はレフィアと一緒だった。まぁそれはいい


問題がひとつあるのだ。


……ノエルである。彼女とおそらくだがフォールは戦いのスタイル的に最悪レベルの相性と言える


まず、ノエルの攻撃は基本的に巻き添えにしがちだ。ノエルの魔法、『魔力魔法マナマジック』は一言で言うと、この世界を構成している魔力そのものをそのままぶつけるという物


それだけなのだ。それだけであの威力なのだ……

そして彼女の魔法はコントロールが死ぬほど難しい。故に私はよく巻き込まれるのだが


そう、私だから毎回無事なだけでフォールはおそらくだが巻き込まれたら無事ではすまないという話だ


しかもノエルは私と同じくらいゴリ押しをする人だ。それだからこそ……危険が危ないのだ


さらにもうひとつ、それが……


「ちょっとなんであんた達がいるのよ!」


そう、二人一組が2つ……つまり4人の即席パーティを組むことになるのだ


ノエルたちの方には、79点ぐらいをたたき出した男性のパーティが一緒に行動しているのだが


……その人たちの武器が、近接系だったのだ。


私は見知らぬ人達に向かって合掌をしつつ、先程新たに手に入れた武器を試す


「『モード・ガントレット』……つまりは手甲と脚甲……もしかしてオラオラですかねぇ?」


チェーンソーだと巻き込みそうなので…(流石に私も近くの無実の人を巻き込むほど馬鹿では無いし人の心がない訳では無い)


ガントレットに変えたのだが、いざ使ってみるとかなーり、使い勝手が良かった。


私はとりあえず飛び出してきたゴブリン(メスLv60)をたたき潰しつつ、蹴りを混ぜて蜘蛛型のモンスターを蹴散らす。


後ろでは


「爆炎ですわぁ!……あらあら燃え尽きなさいな」


「私を巻き込むんじゃ無いわよ!やるわよ……カイン!『火鳥風月かちょうふうげつ』!」


「は!お嬢様!『ミスティックサンダーボルト!』」


割と道中はサクサクと進んだ。そしておそらくこの先が最後のエリアだろう場所にたどり着く。


しかし、そこには……


「壁が破壊されている?……何かあったの?」


まるで何かやばいものが中に入って言ったように見える謎の破壊痕が残っていた。


私が

「はいはいーおじゃましますよー」


とか言いながら中に入った瞬間、……体が真っ二つに引き裂かれる。まぁ無意味ですが


私が再生して起き上がった時、そいつは目の前にゆっくりと鎮座していた。

まるで死神のようにも見えるそれは大鎌を構え、それをゆっくりと振るう。

それ自体は決して早くはなかった。だが


「?!っ!……ぐぁああ!!!」


「カイン?!しっかりして……どうし……ひぃぃ……貴方血が、血が……!!」


何故か当たっていないはずのカインが切り裂かれる。……そのダメージはおそらく即死レベルだったのだろう、そのまま息絶える。


その様子を見て、取り乱すセピア……しかし


「落ち着きなさい!……いいですわね?」


レフィアは常に冷静だった。


───と


死神の鎌が怪しい光を放ち、私は誰かの記憶を見せられる。




誰の記憶だ?……と、それを見ていると……



それは



──────レフィアの過去だった








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