第14話 異世界攻略の始まり
ステータスが表示されるようになったこと、それが何を意味しているのかはリツは知らない
ただ、今まで以上に争いが増えることが間違いなく想像出来る
私は
「そういえばノエルのステータスはどんな感じ?」
そう聞いた。もちろん意味があっての事だ
(ある意味普通な少女のノエルは基準になりやすいだろうし)
「えっと……た、体力が『A』で……攻撃力は『B』、魔力は『EX』です……?これって高いんですかね……」
(いやたっか……間違いなくこの子普通の子じゃないじゃん)
そんなことを思いながら私は自分のステータスを確認する
「体力『
私は自分のスキルもついでに確認する。しかし
(多すぎて見切れない……どうなってる?
最初に取った時とは比べ物にならないほどにスキルが増えてる?)
すると追加でウインドウが表示され
『整理して統合しますか?』
の文字か浮かびが上がる。
それは確かにありがたいと思いそれに承認する
すると
「ぉぉースキルが統合された。……なになに……『超最適化されたゴリ押し』……?」
私は困惑する。
(それってスキルって言うのか?……ゴリ押しは戦い方の方では?)
そんなことを考えていたところ、スサノオが再び口を開けて話し始める
「おう……やっと喋れるぐらいに回復した……おめえら酷すぎるぞ
……っとそうだ……これをそこの嬢ちゃんにくれてやる」
そう言いながら、彼は一振の刀をノエルに手渡した。
「これは?」
ノエルが手に取ると不思議な光を放つ
そうしてノエルの手の中で一本の杖に変化する。
「天叢雲剣を杖にした奴だ……一応、『天叢雲』って叫べば本来の剣の姿に戻る……まぁ俺からの謝罪の気持ちとして受け取ってくれ……それから」
リツの方を向き直ると、スサノオはジフさんの心臓に手をブスリと突っ込む。
慌てて駆け寄るクシナダとノエル
しかし2人の手を払い除けるとリツに対して
「……お前には俺の神核……つまり俺の権能を貸し付けてやる……まぁ今後お前の手助けになってくれたら幸いだ……」
手渡された勾玉を受け取ると、一気にいくつもの情報と戦いの知識が身につく
そんな不思議な感覚がリツを纏う
その様子を見届けたスサノオはゆっくりと座り込むと
「───ってな訳ですまねえ……ひとつ頼んでいいか?
……リツとやら……」
私は
「嫌です」
そう返した。
「……お前さては死ぬほど性格が悪いだろ?……いや、そんなわけがなかったな……お前は全て無理やり推し通る生き方を貫くんだろう?」
私は頷く
(その通り、めんどくさいことは全て無理やりごり押すべし)
「なら……お前なら俺の代わりに……そうだな……あの馬鹿姉を殴り飛ばして正気に戻してくれ!……あいつは、アマテラスは誰かに操られてる……だから」
『……任せたぜ?……異世界から来た破壊者さんよ……?』
私はそう言って満足したように消えようとするスサノオから離れる。
それに合わせて、ノエルもまた同じように離れる
◇◇◇◇
──────「全くあいつら……空気が読めるのか読めないのか分からねぇ……なぁ……ははは……」
「……本当に、もうこれでお別れなの?」
そこには今は親子として、本当の歴史では妻と夫だったふたりがいた
スサノオは溜息をつきながらクシナダの髪を撫でる
(もとより、スサノオは自分の神としての力を1度完全に破壊されている為最早修復が困難な状態まで来ていた)
「……そっか……全く馬鹿な親だよ!……あんたは……」
そんなことを言うクシナダの目には流れるものがあった
その様子を見てお父さんは
「────全くお前はまだまだ子供だな……俺が居ないと心配で仕方がねぇよ……あ〜それにくっそ〜最後の最後まで勝てないで終わるとか……まじで悔しいわ!」
そう、言うと五体を投げ出して横になる
「?!何を……?……ああそういう事……全く……あんたは最後の最後まで……そんな満足な顔をするんだね」
「…………せめて最後ぐらいはカッコつけさてくれよ」
それでも、その顔には一切の悔いは無かった
言葉では『悔しい』と言いつつも
満更でもなさそうな表情で
「俺は少し寝るとするよ……まぁまた起こしてくれ」
そう言いながらゆっくりと光の粒になって消えていく
「──────うん……おやすみ……スサノオ……私の最愛の人」
その言葉が届いたかは分からない。けれどそれでも光は嬉しそうな彼の笑い声をクシナダに届けた
◇◇◇◇◇◇◇
その後、ギルド協会の人たちの手でこの村人たちの埋葬が行われた
異次元の魔物を討伐したのがリツだと知られたことで
改めて、この世界の人達はリツと言う一人のミスリル級冒険者のことを知ることとなった
──────「で?なんで私に着いてくるの?」
私は後ろから着いてくるノエルに話しかける。
あの村での出来事が幕を閉じたあと、クシナダは父の代わりにこの周辺を守るものになると言って去っていった
そこで私もノエルと別れたはずなのだが
「いやぁ……私独りだと怖くって……もうお母さんも村人もいませんし……ね?」
(なにあの笑顔めちゃくちゃかわいい)
「……私に着いてきてもやること無いでしょ……?」
そう言うと、ノエルは
「いいえ!あります!まずリツさんは……自分の服のことをどうするおつもりですか?」
私は黙る。
実は、と言うかそれはそうなのだが私がスサノオと戦っている時、私は素っ裸だった訳である
だって再生するのは自分の体だけだし
それに村長に飲み込まれた時に消化液の中で残った服も完全に消え失せてしまったし
(それは仕方なく無い?)
「私が着いていればあなたの服がなくなってもすぐに作ってあげます!……なんせ私は服を作るのが趣味ですから!」
(そんな趣味あったんだ)
まぁそれならいいけど……と私が言うと
「じゃあ!一緒に勇者学院に行きませんか?……あそこなら多分たくさんの学びを得れると思うんです!」
──────「……学校?」
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