ろく
とつぜん なつかしいこえが きこえてきました
それは まちがいなく まほうつかいのうたう うたでした
おひめさまは むちゅうで そのうたのきこえるほうへと あるきました
そして やっと まほうつかいのもとへ たどりつきました
「おひめさま そこにいるのですか
わたしは めがつぶれてしまったので あなたがみえません」
じめんにたおれている まほうつかいが いいました
「わたしはここです ここにいます」
おひめさまは ひっしで よびかけながら まほうつかいのてを にぎりました
「ごめんなさい おひめさま」
そうあやまった まほうつかいは いきもたえだえでした
「わたしは なにもしらない あなたを ずっと だましていました」
まほうつかいは そういって はなしはじめました
「わたしは となりのくにから やってきた へいしのひとりでした
あなたを だましてさらう やくめを いいつけられていたのです
せんそうのための ひとじちにするつもりだったのです
わたしは まほうつかいなどでは ありません
まほうなんか つかえない ただの うそつきです
ひとより ちょっとだけ うそをつくのが とくいなだけです
あなたに きかせたはなしは ぜんぶ わたしの つくりばなしです
あなたに おくった はなのかんむりは きれでつくった にせものです
あなたに ふらせたあめは じょうろでふらせた ただのみずです
あなたに かってきたほんは ほんとうは ぬすんできたものです
あなたを だきしめたのは あなたが こごえてしんでしまうと こまるからです
あなたの だいすきだった あの いこくのうたは
なかまと れんらくをとるための あんごうのことば だったのです」
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