第122話 別荘というより城?

 私達は師匠の馬車で別荘へと向かう。


 別荘へは馬車で3日ほどで到着した。そしてその別荘を見上げるとその建物に驚愕した。


「えっと……、これが別荘なの?」


 私は別荘というより城のような建物を見上げながらお母さんに声をかけると、笑いながら答えてくれた。


「まぁ、初めて見ればそう思うよね。師匠の言い方が悪いかな?別荘なんて言ったけど、ここは女王を退位された時に建てられただからね」

「そうだよね!」


 やっぱりお城だった。これが別荘なんてありえないもん。師匠のイタズラに踊らされてしまった……、これは悔しい!そんな私を見ながら師匠は笑いながら否定する。


「いやいや、私は王都で生活してるんだから、ここは別荘で間違いないよ」

「いやいや、笑ってる時点で信憑性が低いもん」

「あぁ~、悪かったよ!驚かせようとしたよ。ミーナリアの時と同じように驚くところが見たかったからね。さぁ、謝ったんだし城に入るよ。今日はゆっくりして明日から修行するよ」


 私はその後も『プンプン』してたので、師匠も最後は苦笑いしながら謝ったので城の中へと入っていった。


「ようこそいらっしゃいました、私は執事長のガーベラと申します。アナスタシア様の悪ふざけでお疲れでしょう。お部屋へ案内いたしますのでごゆっくりしてください」


 城の中へ入ると執事長が『悪ふざけ』と言ったので、師匠は目を逸らしていた。そして知った間柄なのか、お母さんはガーベラさんに親しそうに話しかけた。


「ガーベラ、久しぶりだね!この娘は私の可愛い娘でアイマールっていうの。よろしく頼むわね」

「かしこまりました。しかし、本当にアリエル様の幼い頃によく似ておられますね」


 お母さんが私を紹介すると、驚くことにガーベラさんはお母様のことを知っていて、よく似てると言ったので思わず声をかけた。


「お母様のことを知ってるのですか?」

「はい、お嬢様に似てとても可愛いく優秀な方でしたよ。アナスタシア様からはアリエル様を越える逸材だとお聞きしてます」

「そうなんですね!また後でお母様の話を聞かせてください」

「かしこまりました」


 ガーベラさんからお母様のことを聞かせてもらう約束をした後は、私が使う部屋へと案内してもらい、部屋着へと着替えてから少し休んだ。


§ガーベラ視点§

 久しぶりにアナスタシア様が戻って来ると連絡が入った。ミーナリア様とあと1人を連れてくるとのことだ。そのお方がアリエル様の忘れ形見のご息女というのだから驚いた。


 その姿はアリエル様の生き写しで、その才能はアナスタシア様曰くそれ以上とのことだ。


 さぁ、私の記憶にあるアリエル様の話をすることにしますか、アナスタシア様も昔話を楽しまれることでしょう。

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