第119話 そうだったんだ……
あれから授業に放課後の勉強会、さらに修行と忙しい毎日を送っていると、前期の学力試験が行われる時期になった。
これまでのようなクラス対抗戦はなく、完全な個人の成績を争うものになった。ただ、前期と後期の合計点数が、高等科のクラス分けの基準になるのでみんな必死だ。
ただ、学力試験だけではなく、戦闘序列戦のランキングも反映されるので、学力試験だけを頑張っても意味はないんだけどね。
今日は前期学力試験の出題範囲が発表されるので、放課後になり集会所には各クラスのクラス委員が集まった。
「ふ~ん、Bクラスの委員にテレーサは選ばれなかったのね。普通に考えれば間違いなく委員に選ばれると思うんだけどね」
グリアが集会所内を見渡して、テレーサが居ないことを教えてくれた。貴族の生徒が居るはAクラスとBクラスだけ、Bクラスは貴族と平民の生徒が居たけど、クラス委員は全て貴族の生徒だった。
「うん、成績ならテレーサが選ばれるはずだから、貴族の生徒から圧力があったんだろうね」
「自業自得と言いたいけど、圧力があったのなら可哀想に思えるわね」
「うん……」
選ばれなかった理由は判らないけど、元クラスメイトの仲間だから気になってしまった。話す機会があれば聞いてみようと思った。
そんなことを話してると、中等科のクラス委員会の顧問を務めるお母さんが入室してきた。
「お待たせ、クラス委員会の会合を始めるよ。中等科からは対抗戦はなくなって、学力試験と戦闘序列戦となり個人戦だと思ってね」
「「はい」」
「学力試験で1位には80Pを与えられ、2位以降は1Pずつ減っていくよ。これは戦闘序列戦も同じシステムだからね」
「「はい」」
「前期と後期で合計4回の獲得ポイントで、高等科へ上がる時のクラス分けが行われるので覚えておくように」
「「はい」」
中等科に上がる時は修了試験があったけど、高等科へ上がる時は、学力試験と戦闘序列戦の合計ポイントでクラスが決まるの。
「では、学力試験の出題範囲を発表するよ。クラスに戻ったらポイントシステムと出題範囲を教えてあげてね」
「「はい」」
完全な個人戦になるので質問することもなく、出題範囲を聞き終えると会合は解散となった。
私は集会所から戻る時に、委員会の仕事量が初等科の頃と比べると楽になったと思ったので、そのことをみんなに伝えた。
「中等科の委員活動って、初等科の時と比べると報告するだけだから楽になったね」
「初等科時は選抜メンバー選ぶ時に、貴族と平民で揉めたわね」
「「貴族一択だから楽だったけど?」」
「「あっ、そうだったんだ……」」
私とグリアが初等科の時に苦労したと話してると、セイラとハーレイの口からは初等科と変わらないというものだった……
Aクラスが特殊だった訳だね。
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