第115話 中等科スタート
中等科の校舎を見学した翌日、中等科での学生生活がスタートする。
私はグリア達とAクラスの教室へ向かっていると、お母さんから聞いたコリーヌ先生のことを伝える。
「お母さんから聞いたんだけど、コリーヌ先生って王立学園から転属してきたらしいよ。しかも戦闘技術科の教師だったからさ、戦闘系の授業はそこそこ期待できるって言ってたよ」
「それは凄いな、王立学園の教師ならかなり強い方なんだろうね。教えてもらえるのは光栄だね」
「うん、そうだね」
セイラが王立学園の元教師に教えを請えることを喜んでいたので、お母さんが言ってたあれは伝えないことにした。
『アイツ、マールの力を見抜けない三流教師で、師匠の地雷を踏んじゃったから『ボコボコ』にされて泣いてたよ!』
(なんてことは知りたくないよね……)
教室に着いて話をしてると、コリーヌ先生が教室へ入ってきたので全員席につくと。先生は私の方を『チラッ』と見てから挨拶をした。
「おはようございます。私は中等科Aクラスの担任を務めるコリーヌ.ファレルよ。王立学園で戦闘技術科の教師を務めてたの。だからといって戦闘専門じゃないから安心してね」
「「はい」」
「中等科からは選抜対抗戦がなくなるので、委員はクラス委員のみになるの。私としては編入試験を受けた4人に、委員を務めてもらいたいと思ってるの。みんなの意見はどうかしら?」
コリーヌ先生が委員について言及する。王立学園の編入試験を受けるほどなのだから、無難な選択をしたと思っていると、グリアが手を上げてから発言をした。
「クラス委員についてですが、アイマールが入らないのはおかしいと思います。間違いなく中等科で最も優秀な生徒なんですから」
私は委員活動に興味がなかったので、上位貴族の4人で良いと思っていた。このグリアの一言がきっかけになって、他の生徒もグリアに続いてセイラも発言をする。
「初等科の時、学力と武術の2部門でトップのアイマールが、編入試験を受けてないから選ばれないのは納得がいきません」
王立学園では先生の言うことが全てなのか?異を唱える生徒の発言に、コリーヌ先生の表情が少し引きつってるように見えた。
「女学院では生徒が教師に対して、異を唱える者が居るのに驚いたわ。そこまで言うのなら、私が直接判断させてもらうわね。訓練場で模擬戦を行うけど良いわね?」
「「はい!」」
「ちょっと、勝手に返事しないでよ!」
模擬戦をする私が了承してないのに、2人が返事をするから文句を言うと、ハーレイが私の肩を叩いてから言葉をかけてきた。
「うん、下克上任せた」
いつものように言葉は少なかったけど、親指を立てながら『ニヤリ』と笑っていた。
(新学期早々に先生と模擬戦とか……最悪だよ)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます