第109話 討伐を終えて
お母さんにトドメを任されたので、私は全力の一撃をワイバーンに向けて放つ。
「お母さん、外したらフォローをよろしくね!
術者ではないお母さんとアリシャが驚くような大きな
『ゴォォォッ!』
「グルゥァアアアッ!」
「や、やったよ!お母さん!」
「あははっ……、マールの全力ってとんでもない威力だったのね。単独でワイバーンを討伐できると思うよ」
「どうかな?攻撃を躱しながら反撃に備えるのは、今の私には真似できないよ。もっと経験を積まないとお母さんの領域に近づけないよ」
「本当に賢いね。足りない部分を把握するのが一番難しいだよ」
ワイバーンの単独討伐も可能だと言われたけど、お母さんのような戦い方を身に付けないと無理だと答えると、嬉しそうに私を褒めてくれた。
私とお母さんが話をしている間に、アリシャはワイバーンの亡骸に近づいて、完全に死んでいることを確認していた。
「ミーナリア様、このワイバーン亡骸はどうされますか?」
「私の
私が倒したと報告すれば、かなりの注目を集めてしまう可能性があるので、お母さんの言う通りにすることにした。
「下手に目立つのは嫌だから任せるね」
「OK、じゃあワイバーンを収めたら出発するよ」
「「はい」」
ワイバーンを討伐してから大岩に着くまでに、
私達が大岩に近づくと、馬車は既に到着しているのが見えた。さらに馬車へ近寄ると、御者が私達に気づいたようで声をかけてきた。
「ミーナリア様、お帰りなさいませ」
「少し遅くなったわね。討伐協会へ寄って帰るからよろしくね」
「かしこまりました」
馬車に乗り込むと、王都にある討伐協会へ向けて走り出した。女学院での修行と違って、かなりの距離を移動したので疲れていたのか?馬車に揺られていると眠くなってきた。そのことに気づいたお母さんが、『ポンポン』と膝を叩いてから声をかけてきた。
「ほら、眠いのなら横になりなさい」
「うん、少し横になるね」
私達が討伐協会に着くまでの間を、お母さんの膝枕で気持ちよく寝ていると、その様子を見ていたアリシャは微笑みながら眺めていた。
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