第108話 vsワイバーン
「討伐してみる?」
お母さんが笑顔で聞いてきた。
私は怖かったんだけど、不思議と戦ってみたいと思ったので返事をする。
「うん、力不足で何もできないかも知れないけど、ワイバーンと戦ってみたい」
私の言葉を聞いたアリシャは驚いていたけど、お母さんへ笑顔で頷いてから、ワイバーンについて簡単な説明を始めた。
「よく言ったね。ワイバーンの特徴を説明するよ。見た通り翼があるから飛行するから、意外と臆病で勝てないと判断したら逃げるの。だから討伐する時は短期決着が基本になるからね。次に攻撃パターンだけど、口から吐く火球、尻尾の先の毒針、高速飛行からの体当たりの3つだね。どれも威力は高いから気をつけるように」
「うん、判った」
「さっき言ったけど、逃さない為にはマールだったらどうする?」
ワイバーンは、臆病だから逃げる可能性があるなら、飛べないようにすれば高速飛行による攻撃と、飛び去ることを防げると思った。そうなればやることは1つだ。
「あの翼に翼膜を傷つければ良いのかな?」
「正解!片方の翼膜さえ傷つければ、バランスが取れなくなるから後は地上で叩くだけだよ。理魄を使った攻撃で翼膜に当ててごらん」
「OK!」
私はお母さんの指示通りに、鉄の理魄で数枚の刃をイメージしてから、翼膜へ狙いを定めて放ってみた。
「行くね!
数枚の刃がワイバーンの翼膜へ飛んでいく。
『シュン、シュシュンッ!』
『ザック、ザクザクッ!』
「グルァアア〜!」
刃が当たると、翼膜を綺麗に切り裂いていた。あれだけ傷をつければ飛べないはずだ。
ワイバーンは攻撃を受けたことに驚いてる様子だけど、私達の居場所に気づいたので威嚇するように火球を吐き出した。
『ボン!』
連発することはないので、尻尾との間合いだけを気をつけて回避すると、お母さんが反撃の理魄を撃とうとしていた。
(ただ回避するだけじゃなくて、反撃することを考えないとダメなんだね……流石はお母さんだ勉強になるな!)
「2本足の相手は、片足を潰せば立ってられないからそこを狙う。
『ガッ、ギュルギュル〜』
回転する
『スバッ!』
「グワッ」
倒れたワイバーンは、必死に翼を羽ばたかせて立ち上がろうとするけど、片足では立つことができずに再び倒れた。
「背中の皮膚は硬いんだけど、腹部は柔らかいから普通の攻撃でもダメージは簡単に与えられるよ。でも……」
お母さんが途中で言葉を止めたので、私が思っている言葉を続けた。
「尻尾の毒針には注意が必要で、近づかずに攻撃する手段があるならそれを選べば良いんだね?」
「そう、偉いよ!最後のトドメを任せるね」
「うん、任せて!」
私はワイバーンに向かって全力の一撃をもってトドメを指すことにしたの。
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