第106話 初討伐
私の装備が揃ったので、お母さんとアリシャの3人で魔物討伐へと向かう。
私は真新しい防具を身に着け、お母さんはチェストプレートにローブを羽織り、アリシャは私と同じ動きやすそうなライトアーマーを身に着けていた。
王都の東側にある門を抜けて草原へ向かうのは、女学院にあるお母さん専用の馬車に乗って向かった。全ての教師に馬車を与えられてるのかと思ったけど、爵位を持つ教師の特権らしい。
草原に到着したので馬車から降りると、お母さんは御者に指示を出した。
「夕刻には大岩に向かうから迎えを頼むよ」
「かしこまりました」
馬車が王都へ戻っていくと、お母さんは地図を取り出してから、今日の討伐ルートの説明をしてくれた。
「ここが現在地ね。さっき御者に伝えた大岩がここにあるから、このルートを通って移動をするからね。主に現れる魔物は
「うん、大丈夫だよ」
「じゃあ、移動を始めるけど、アリシャ、マール、私の順で進むからね」
「はい」
「かしこまりました」
お母さんをリーダーとして草原を移動していると、どこから魔物が現れるのか判らないので、私は周囲を『キョロキョロ』見ながら歩いていた。
私の後ろを歩いてるお母さんは、挙動不審に見える行動が気になったようで、移動する時のアドバイスをしてくれた。
「マール、目視で魔物を探すと『キョロキョロ』と周囲を見ちゃうよね?授業で人の気配の感じるには理力を探ると習ったでしょ?」
「うん」
「魔物は魔素の集合体だから魔素を探るんだけど、経験しないと判らないと思うから、私が感じたら教えるからなにかを感じ取ってみてね」
「うん、判った」
授業で戦場において敵の不意討ち対策として、理力を探ることを学んだけど、それに似た感じなのかな?しばらく移動してると、お母さんが魔物の魔素を感じとったので教えてくれた。
「あっ、2時の方向から少し大きな魔素があるよ。距離は20ってとこだけど意識してみて」
お母さんに言われた方向へ意識を集中させると、『ゾワッ』という感覚が走ったので、そのことを伝える。
「うん、なにか感じたよ」
「理魄を撃って正しく感じているか確認だよ」
「OK!
私の感覚が正しいのか確認する為に、感じ取った場所へ向けて理魄を放った。
『バシュッ!』
「ブモォーーーッ!」
感覚は正しかったようで雄叫びが響いたので、見事に魔物へ直撃したようだ。一撃で仕留めることができたのか不明なので、アリシャを先頭に雄叫びがらした場所へ向かうと、そこには魔石が転がっていたので、見事に仕留めることができたみたい。
「お見事!初めてなのに魔物の気配を感じ取れてたね。偉い偉い!」
お母さんに頭を『ポンポン』とされたのが嬉しくて、満面の笑顔で応えたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます