第99話 編入試験の結果

 修了試験が終わると、試験の結果が出る前に王立学園の編入試験が行われた。


 試験結果は当日に発表されて、試験を終えた4人が私の部屋へ報告しに来たの。


「編入試験お疲れ様。どうだったの?」

「私とセイラ、ハーレイは合格したけど、グリアは不合格だったわ。私より成績が良いのに信じられないわ」


 キンバリー、セイラ、ハーレイの3人は見事に合格して、新学科からは王立学園へ通うことになる。仲良くなった友人が居なくなるのは寂しいけど、望みが叶った3人には頑張って欲しい。


「3人の合格なんて過去に例が無いんじゃない?凄いねおめでとう!3人と別れるのは寂しいけど、王立学園で頑張ってね」

「「ありがとう」」

「それよりもグリアよ。貴女が落ちるなんて絶対におかしいわ?絶対に何かあったのよね?ねぇ、どうして不合格になったのか教えてよ?」


 アリグリアは事前に合格する気がないと聞いていたので、私は驚くことはなかった。実際、不合格なのに『サッパリ』した表情だった。3人は未だに不合格だったことを信じられず、セイラがしつこく問い詰めると、アリグリアはわざと不合格になったことを告白した。


「実はね、もともと王立学園へ行くつもりはなかったのよ。女学院よりも厳しい差別がまかり通る所はゴメンなの。それにマールと一緒に過ごす方が絶対にプラスになると思ったしね。お母様からは怒られるだろうけど、お父様と姉様は編入に反対だったから大丈夫よ」

「えっ……、マールは知ってたの?」


 アリグリアが女学院に残る理由を伝えると、3人とも少し呆れ顔になっていて、キンバリーが私にそのことを知ってたのか聞いてきた。


「うん、編入試験の勉強会を提案した時に、そのことは聞いて驚いたけど、私なんかと一緒に過ごしたいと言われて嬉しかったかな」

 

 私が知っていたことと、そのことについて正直な気持ちを伝えると、『ニヤニヤ』しながらセイラとハーレイが冷やかしてきた。


「なに?マールの顔が赤いけど2人はそんな関係なの?」

「グリアもずっと一緒に居たいとか、その歳で愛の告白とかどうなのよ?」


『ボッ』


「そんな訳ないでしょ?親しい友人として仲良くしたいってことよ。勘違いしないでよ?」

「そうだよ。誰だってあんな風に言われたら嬉しいはずだよ?」


 冷やかされたことで、私とアリグリアの顔は真っ赤になると、アリグリアは手を『パタパタ』と動かしながら必死に否定する。私も必死に言い返してると、3人とも大笑いしていた。


「「ちょっとからかっただけだよ」」

「「もう……」」


 その後も、みんなで笑いながら楽しい時間を過ごしたの。そして後日になって、合格した3人が予想外の行動に出て驚かされることになるとは、思ってもいなかったの……。

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