第95話 世代最強
私の勝ち名乗りと、Aクラスの優勝が告げられた瞬間、アリグリア達が闘場へと駆け上がると、みんなが私に抱き着いて喜びを分かち合った。
「マール、勝つと信じてわよ!」
「あんな凄い技は初めて見たわよ!」
アリグリアに続いてキンバリーも興奮しながら話しかけると、キャメリアとクリスティの双子は『ウンウン』と頭を縦に振っていた。
「みんなの応援が私の力に変わったんだよ。勝つと信じてくれてありがとう!」
「「当たり前だよ!」」
私達が闘場で喜び合ってると、セイラがハーレイの手を引きながら声をかけてきたけど、ハーレイの顔は強張っていてずっと下を向いてた。
「アイマール、凄いものを見せてもらったわ」
「ううん、ハーレイには怖い思いをさせちゃってごめんね」
「そんなことないわ。先に危険な行為をしたハーレイが悪いのよ。それでもアイマールは忠告してから攻撃してくれて、逆に感謝してるのよ。ハーレイ、言うことがあるでしょ?」
セイラに促されると、ハーレイはうつむいたまま私の前に立って、大きく深呼吸をしてから深く頭を下げた。
「ア、アイマールごめんなさい。えっと……対戦をして貴女が言っていたことが良く判ったの……ほ、本当にごめんなさい」
緊張してるようで、言葉が途切れながらも一生懸命に話してるのが良く判ったの。そんなハーレイに対して、私は『ニコッ』と笑顔を見せながら返事をした。
「ううん、私も少し『ムッ』としちゃって、怖かったよね?ごめんなさい」
「うっ、なんで、そんなに優しいの?もっと怒られるのかと思ったのに……」
ハーレイが謝ってくれたので、私も怖い思いをさせたので謝ると、私の言葉に目を丸くして驚いたかと思ったら突然泣き出した。
「えっ、ちょっと、ハーレイ?」
「ははっ、ハーレイはアイマールが激怒してると思ってて、ぶん殴られる覚悟をしてたのよ。それが優しくされたから気が抜けたのね」
「えっと、ハーレイ大丈夫だよ?怒ってないから泣き止もうね?」
「うん……」
その後は表彰式が行われて、前期に続いてAクラスの優勝と、私の最優秀選手で武術対抗戦は幕を閉じた。
最優秀選手の証であるダイヤのピアスをお母さんから受け取る時に、『王立学園を含めて、マールが世代最強なのは間違いないわ』なんて言われた。それに関しては素晴らしい師匠に恵まれただけだと思うので、真に受けないようにした。
これで大きなイベントはすべて終わって、あとは後期が終わるのを待つのみとなった。
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