第73話 誰がアイマールを止めるのか?

 お泊り会を満喫した週末が開けて通常モードに戻る。朝のホームルームでは、ジュリエッタ先生からグリアと私に声がかかった。


「今朝、ミナ先生より連絡があって、選抜委員会の会合を開くのでクラスの選抜委員は、放課後に集会所へ行くように」

「「はい!」」


 選抜委員の会合と聞いて、後期に行われる学力と武術の対抗戦の話だと思った。話の中心になるのは、理魄の使用が認められる武術対抗戦の話になるのかな?なんて考えていた。


 前期は私達のAクラスがダブル優勝したので、クラスメイト達も『選抜委員会』の言葉を聞いて、隣同士で話をしてるのか賑やかになる。そんな中、グリアが席を立ってクラス全員に声をかけた。


「後期の対抗戦のメンバーの決定は、前期と同じ方法で決めたいと思いますが、賛成の生徒は挙手してくれる?」

「「はい!」」

「賛成多数なので、前期と同じ方法で行きたいと思いますので、ジュリエッタ先生にご負担をかけますがよろしくお願いします」

「えぇ、任せておいてね。学力と出題範囲と武術のルールが決まったら報告をお願いね」

「判りました」


 前回は決定方法でキンバリー様と揉めたけど、今回は何事もなく決める事ができた。Aクラスは本当によくまとまってたと、私は目を細めながらその状況を喜んだのだった。


 そして放課後になり、私達は選抜委員会が行われる集会所で席に着いてミナ先生を待ってる間に、他のクラスの委員と軽い挨拶をすると、『連続では勝たせないから』『私達も勉強会をした』などの言葉が聞こえたの。


 暫くすると、ミナ先生が集会所にやって来たので、選抜委員会の会合が始まる。


「みんな集まってるわね。選抜委員会の会合を始めるよ。後期も学力と武術の対抗戦をするけど……」


 ミナ先生の説明では、学力対抗戦の出題範囲は入学してから後期対抗戦の2週間前までという、かなり出題範囲が広いものだったので、話を聞いた時は委員全員が少しザワついた。

 続いて武術対抗戦は理魄の使用が認められるので、理魄使用の注意点が説明された。射出系に関しては初級のボールのみで、剣撃に理魄を纏わせるのは、初等科では認められないとの事だった。現時点のAクラスでも、ボールの射出をできるのは貴族令嬢だけで、攻撃といえる射出に至っては私しかできてないから、纏わせる事を認めても誰もできないと思った。


 ミナ先生の説明を聞いた後は、武術対抗戦の対戦方法を決めるんだけど、前期で私が1人で全勝したので勝ち抜き戦方式ではなく、対戦方式になるものだと思ったけど、『誰がアイマールを止めるのか?』なんて事が話題になっているらしく、結局は勝ち抜き戦方式で行われる事になったのだった……


(結構なプレッシャーを感じるんだけど……)

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