第70話 お泊り会①

 一旦、部屋に戻って準備をしてからグリアの部屋へ向かう。


「「マール!」」


 部屋を出ると、キャメリアとクリスティがハモるように声をかけてきた。


「2人も直ぐに準備したんだね」

「「うん」」

「マールはグリアとお泊り会はした事あるの?」


 ハモった返事の後に、クリスティが嬉しそうな顔をしながら、お泊り会の事を聞いてきたけど、私も初めてなので首を横に振りながら答えた。


「ううん、部屋でご飯を食べた事はあったけど、泊まるのは初めてなんだよね」

「私も女学院では初めてだから、とても楽しみなんだよね」


 クリスティも入学してからは初めてと言ったけど、双子の姉妹であるキャメリアと同室なので、入学後も毎日がお泊り会だと思えた。


「でも、2人は双子だから毎日がお泊り会をしてるじゃない?」

「あぁ、私達は生まれてからずっと一緒だから、2人揃って1人みたいな感じだからさ、友達とは違うしお互いの事を知り尽くしてるからね。今回みたいなワクワク感はないかな」

「そうだよ!見た目も同じだもん、今日はお風呂に一緒に入れるのが楽しみ!マールの身体をじっくり見させてね」


 クリスティの後のキャメリアの言葉に、服を着ていたけど思わず両手で胸を隠してしまった。こんな冗談を言い合える時間はやはり楽しい。ただ、裸をじっくりと見られるのは、例え同性でも恥ずかしいかな?


 他愛のない話をしてグリアの部屋に着くと、ダブネがリビングルームへ案内をしてくれた。既にアンナマリアは着いていて、グリアと一緒に軽く手を振ってから席へ手招きしてくれたので、私達は空いてる席へ座る。


「夕食の準備をしますので、先にお風呂で湯浴みをして汗をお流しください。準備ができましたら声をおかけします」

「ありがとう。じゃあ、お風呂へいきましょう」

「「はーい!」」


 お風呂へ向かう時に、アンナマリアが前に私の部屋へ来た時の話を始めた。


「この前、マールの部屋へ行った時に理力操作を見せてもらったんだけど、ずぶ濡れになって服を着替える時に、マールを横目に見たんだけど胸の膨らみがあったんだよねぇ〜」

「「!?」」

「えっ?そんな事をしてたの?」

「ちょっと、それは早く確認しないと!マール早く服を脱いじゃってよ」


 アンナマリアの言葉を聞いたグリアが、食いつくように私に近寄って服を脱がそうとするのを、私はなんとか躱して脱衣所へ向かう。友達ばかりとはいえ通路で裸になんてなれないからね……


 脱衣所に着くと、私は4人の手によって『パッパッ』と服を脱がされて、胸元に集まる視線がめちゃくちゃ恥ずかしかったけど、4人は自分の胸と見比べてショックを受けていた。


 その後は、ダブネから声がかかるまでの間は、互いに背中を流しあったりして、楽しい時間を過ごした。




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