第63話 休暇の終わり
2ヶ月に及ぶ長期休暇も終わりを迎えようとしていた。帰省していた貴族令嬢達も女学院へ戻って来て、私の親友グリアも戻って元気な顔を見せてくれた。
「マール、久しぶりね!」
「うん、元気だった?」
「まぁまぁかな?夜会へ8回も参加したから、あのキツイドレスを着るのは地獄よ……」
「それは大変だったね。グリアでも締め付けるなら他の人は呼吸も大変じゃない?」
「あはっ、それはないわよ。身体のサイズ合わせてドレスを作るから、5cmくらいの締め付けだから苦しさわ全員が同じだよ」
「そっか、安心したよ」
立ち話も程々にして、グリアの部屋へと招かれたので、その後は募る話をたくさんしてその日は終えたのだった。
そして翌朝は、グリアを交えてクラスメイト達と休暇中に続けていた勉強会へ向かうと、キャメリアとクリスティが私達を待っていた。
「アイマール、久しぶりね!」
「キャメリアも昨日に戻ったの?」
「うん、クリスティも一緒だったのよ。今日から私達も勉強会へ行こうかと思って、2人を待ってたのよ」
「そうなんだ。グリアも昨日だったから、3人が来たら驚くんじゃないかな?早く行こうか」
「「そうだね」」
私達が4人で教室に入ると、私の予想通りにみんなが驚いた。そしてこの日は勉強会ではなく、休暇中に出席した夜会の話を聞いて、平民が憧れる華やかなものではなく、貴族同士の見栄の張り合いや、令息令嬢の婚約者を見つける品定めをする場だと知って、『現実を知ると平民で良かったかも?』なんて意見が出ていた。私もその通りたと思った。
午前は3人の話を聞いて盛り上がった後は、グリアから4人で予習をしながら、色々と話をしないか誘われたけど、私には修行があるので断る事にした。
「誘いは嬉しいんだけど、私に師匠ができて、長期休暇中の午後は修行をしてるから、その後じゃないと参加できないかな?」
「えっ?師匠って、いつの間に?そして誰がマールの師匠なの?」
私の言葉に3人とも驚いて、グリアが捲し立てるように話しかけてきたので、私は落ち着かせてから説明をする。
「師匠が出来たのは長期休暇に入ってからなんだよ。師匠は女学院の学院長であるアナスタシア.アリスター妃爵様なんだよ」
「「……」」
私が説明をすると、3人は固まってしまった。
「あ、あれ?どうしたの?」
「妃爵様って、あの……王家よね?」
「うん、みんなも入学式で見てるでしょ?」
「知ってるけど、名目だけの学院長じゃなかったのね……」
「うん、学院長室にいつも居てるよ」
「私の知らない間に王家と親しくなってるなんて……マールが遠い存在になった気がするわ」
「そんな大袈裟な!私の亡くなったお母様が弟子だったらしくて、その縁で弟子に迎えてくれたんだよ」
「そ、そうなのね。その辺りの話は夕食に招待するから聞かせてくれる?」
「うん、じゃあ、昼食を食べたら修行だから、私は部屋へ戻るね」
驚いてる3人を残して、午後からは師匠との修行をする為に特別訓練室へ向かったの。
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