第46話 分かれる意見

 私達が勝利して、少し間をおいてから第2試合が行われるので、キャメリアの様子を見に医務室へと向かった。


 キンバリー様が先頭で医務室へと入ると、ベッドに横になって休むキャメリアの傍らに、クリスティが心配そうに寄り添っていた。キンバリー様は医務室へ入るなりクリスティに声を掛けた。


「クリスティ、キャメリアの具合はどうなの?次の試合には出れそうなのかしら?」

「腹部の痛みが引かないので、試合をするのは無理だと言ってました」

「アイマール、アンナマリアが代わりに出れるのかを、ミナ先生に確認してくれるかしら?」


 残りの試合に出れないと聞くや否や、キャメリアの代替出場が認められるのかを、確認するように指示してきた。その言葉を聞いた瞬間、クリスティは複雑な表情をしていた。ともに対抗戦に出場したキャメリアを、アッサリと切り捨てた事に納得できないんだろうね。それに関しては私も同じ気持ちだったので、私の想いを伝える。


「このままメンバーに残して、闘場に上がって棄権の宣言で良いんじゃないかな?苦労して掴んだ対抗戦メンバーなんだもん、最後まで一緒に戦おうよ?」

「それで、優勝が出来なければ意味が無いじゃない!役に立たない者は邪魔なだけよ」


 怪我をしてまで頑張った仲間を、邪魔と言いきるキンバリーに対して反論をする。


「邪魔じゃないよ!一緒にメンバーの座を勝ち取った大事な仲間だよ?先鋒戦でキャメリアが頑張ったお陰で、セイラの戦闘スタイルが判ったんだもん。勝利に貢献してるじゃない!」

「既にリングを持ってる人は余裕だものね?私達はリングを持ってないのよ。優勝リングが欲しくて当然でしょ?クリスティもそう思うわよね?」


 キンバリー様はクリスティに同意を求めたけど、直ぐに返事をする事はなかった。苛立つキンバリーが返事を促す。


「クリスティ、どうしたの?ハッキリと言ってあげなさいよ!」

「私は……アイマールと同じ意見で、最後までキャメリアと戦いたい……」

「なっ、クリスティ!」

「私もキャメリアと一緒に戦いたいわ。これで答えが出たわね」


 思った答えを得られずに怒るキンバリーだったけど、グリアの言葉で多数決では勝てないと諦めた。


「これで優勝が出来なかったら許さないわよ!」

「貴女が負傷した時は、自分から代役を出して言えば良いわよ?その時は尊重してあげるわ」

「ぐっ……」


 キンバリー様とグリアの言い争いがヒートアップしそうなので、私が間に入って仲裁をする。


「ここは医務室なんだから、もっと静かに話そうね?クリスティはキャメリアが目を覚ましたら連れてきてくれる?私達は闘技場へ戻ってるね」

「うん、対抗戦が再開されそうなら教えてね。キャメリアを起こして連れて行くから」

「うん、それじゃ」


 キャメリアの事はクリスティに任せて、私達は医務室を出て闘技場へと戻ったの。

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