第32話 喜びと動揺と……
学力対抗戦が終わってから2日後、結果発表と表彰式が行われる講堂へ集合する。
席に着いて表彰式が始まるのを待ってる間は、グリアと話をして時間を潰した。
「マールが1人で50点以上の貯金をしてくれるから、優勝は間違いないわね」
「それはないよ?いつも均衡してるってジュリー先生が言ってたじゃない」
「それは、マールみたいな天才が居ないからでしょ?私から見ても次元が違うと判るもの」
「私はそんなんじゃないよ?同じ女学院生だよ」
『スーッ』
グリアが返事をしようとすると、講堂の扉が開いた。ミナ先生を先頭に、先生方が入って来たので、話を終えて壇上に注目する。
「皆さん、おはようございます」
「「おはようございます」」
「これより学力対抗戦の結果発表及び、表彰式を始めるわね。先ずは学力対抗戦の結果からね」
後ろに控える先生方が、対抗戦の結果が書かれている大きな紙を貼りだした。
優勝 Aクラス 1,255点
2位 Cクラス 1,060点
3位 Bクラス 1,040点
4位 Dクラス 1,005点
(あっ、Aクラスが優勝だ!)
「優勝はAクラスで、全員が200点超えの素晴らしい成績で他のクラスを圧倒していたよ。Aクラスの選抜メンバーおめでとう。記念プレートと腕章を渡すので代表者前へ」
「はい」
代表者として壇上に上がるのは、クラス委員長のキンバリー様だ。大変名誉な事なんだけど、彼女の表情が冴えなかったのは、選抜メンバーではなかったからだね。
「Aクラスは他のクラスから追われる立場になるけど、引き続き頑張るんだよ」
「はい、ありがとうございます」
学力対抗戦のクラス表彰は優勝したクラスのみで、次は個人戦の結果発表と表彰が行われる。こちらは上位3人が表彰されて、金銀銅のリングが与えられるの。
「次は、個人戦の結果と表彰をするよ」
先ほどと同じように先生方が、結果が書かれている大きな紙を貼りだした。
首席 アイマール(Aクラス) 300点
次席 アリグリア(Aクラス) 250点
参席 グロリア (Cクラス) 245点
結果が貼りだされた瞬間、私が首席で300点満点だった事に講堂内が騒然とする。
「驚くよね。アイマールが女学院史上で初めて満点を出したからね。さぁ、首席から順番に壇上へ上がってね」
私が壇上へ上がると、ミナ先生が満面の笑顔で私の左手の小指へ金のリングをはめてくれた。
「アイマールおめでとう!」
「ありがとうございます」
リングをはめる時に、ミナ先生が小声で話し掛けてきた。
「貴女には無限の可能性を感じるわ。私の師匠に弟子として推薦したいんだけどどう?」
「えっ……師匠?」
「ふふっ、その話をするから夜に部屋へ寄らせてもらうわね」
そう言った後に『パチッ』とウインクをして来たので、少し動揺しながら壇上から降りて席に着いたのだった……
(ミナ先生の師匠の弟子って冗談だよね……)
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