第31話 学力対抗戦の採点結果
§ミナ.レジストリー視点§
教員室で学力対抗戦の採点を行う。
各クラスの担任も同席して私の行う採点をチェックする。1点を争う学力対抗戦での優勝は、担任としての評価をあげるチャンスだ。
その中でも、全ての教師が注目するのはアイマールの採点だ。入学試験では、過去最高の点数で合格してる超の付く才女だから、どんな点数を取るのか興味を持つよね。
「今回の試験難度なら250点を越えれば、王立学園へ編入できるレベルでしょうね」
「編入試験は通常試験より高いレベルを戻れられるので、270点は必要だと思いますよ」
Dクラスの担任テルミナがそう言うと、Bクラスの担任マグノリアが答えた。王立学園への編入は過去にも数例しかないので、教師達はその話題に夢中になっていた。
私は話を聞きながらも、Aクラスの採点を終えたので、担任達へ渡して確認させた。
「Aクラスの採点を終えたよ。確認してくれる」
「「ミナ様、ご苦労様です」」
4人の担任は採点された結果を見て驚愕する。試験問題を作った私でさえ驚いたからね……
「「ま、満点?!」」
「そうだね。私も驚いたよ。あの娘の頭はどうなってるんだろうね?他の娘達もかなりの点数なんだよね」
【アイマール】300点
【アリグリア】250点
【マナカ】240点
【タバサ】230点
【テレーサ】235点
Aクラスの生徒達の点数は、例年なら最高得点に近いものだった。テルミナは驚いてジュリエッタに質問をする。
「平民の生徒までこの点数を?どのような教え方をしたの?」
「アイマールがクラスメイト全員に声を掛けて、放課後に勉強会を開いた結果です」
「待って、平民に勉強を教えながらこの点数を出してるの?」
Cクラスの担任エミリアは、信じられない表情でジュリエッタに話し掛けた。普通に考えれば自分の勉強時間を割いてるのだから、そんな状況で満点なんて考えられない。
「勉強会で人に教える事で、さらに理解度が深まるんだと言ってました」
「生徒だけではなく、教師の役目を果たしてるなんて、どれだけ優秀な娘なの」
担任達がアイマールの話に夢中になってる間に、私は他のクラスの採点を進める。まぁ、優勝するのはAクラスだと判ってるけどね。
「はい、これで全ての採点が終わったよ」
「「ミナ様、お疲れ様です」」
今回の学力対抗戦の結果はこうだった。
優勝 Aクラス 1,255点
2位 Cクラス 1,060点
3位 Bクラス 1,040点
4位 Dクラス 1,005点
首席 アイマール(Aクラス) 300点
次席 アリグリア(Aクラス) 250点
参席 グロリア (Cクラス) 245点
こうして学力対抗戦の結果を発表する事になった。優勝のクラスには金の腕章を与えられ、個人のトップ3には金銀銅のリングが与えられる。
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