第28話 模擬試験の結果

 模擬試験の翌日は、結果を聞く為に教員室を訪れると、ジュリエッタ先生が手招きをされたので先生の元へ向かった。


「おはようございます。模擬試験の採点ご苦労さまでした」

「確かに大変だったけど、ミナ先生が手伝ってくれたので助かったわ。これが模擬試験の点数と順位だよ」


 私が挨拶をすると、選抜委員会の顧問ミナ先生が採点を手伝った事を聞いたので、見掛けた時にでもお礼を言おうと思った。


 そして、気になる模擬試験の結果は、私とグリアの予想外のもので驚いた。


1位 アイマール 300点

2位 アリグリア 275点

3位 マナカ   270点

4位 タバサ   265点

5位 テレーサ  255点


 トップ5に平民の生徒が3人も入っていた。他の貴族令嬢でトップ10に入れたのは、キンバリー様が240点の6位と、230点で7位になったキャメリアの2人だけだった。


「2人とも驚いてるわね。私とミナ先生も驚いたんだよ」

「みんなが頑張っだ結果なので、素直に頑張ったみんなを褒めてあげたいと思います」

「マールの特別授業がなかったら、私もトップ5に入れてなかったかも……」

「「あははっ」」


 グリアが『ボソッ』と呟いたのが聞こえると、私は先生と顔を合わせて笑った。グリアは笑われた事に『ムスッ』と口を尖らせて拗ねた顔をしていた。


「さぁ、模擬試験の結果を渡したし、教室へ行ってホームルームをするわよ。その時に学力対抗戦のメンバーを伝えてあげてね」

「「はい」」


 ジュリエッタ先生と一緒に教室へ入ると、クラスメイト全員が視線を向けた。模擬試験の結果次第で学力対抗戦の選抜メンバーが決まるからだ。特にクラス委員の4人は落ち着かないみたい、貴族令嬢が6人に対して選抜されるのは5人だから、1人だけ漏れると思ってるからだ。


「はい、おはよう」

「「おはようございます」」

「みんなが気になってる、模擬試験の結果を選抜委員から発表してもらうわね。アリグリア」

「はい、では模擬試験の結果を発表をさせてもらうわね。全員の点数と順位はマールが黒板に書き出すので確認してね」


 グリアが上位から順番に発表していくと、教室内に平民の生徒達から歓声が湧き上がる。選抜メンバーに3人も選ばれた事が、よほど嬉しかったんだね。逆にメンバーから漏れたクラス委員達は、下を向いたまま落ち込んでるようだった。


「以上が、模擬試験の結果です。トップ5に入った生徒は、学力対抗戦に出場するのでAクラスの為に頑張ってくださいね」

「「はい」」


 こうして、Aクラスの選抜メンバーが決定した。なお、他のクラスの選抜メンバーは全て貴族令嬢が独占したみたいで、平民が選抜されたAクラスの事が噂になったらしい。

 


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