第27話 天才に導かれて
キンバリー様達のクラス委員と、話し合いをしてから1カ月が経過した。
今は、学力対抗戦の選抜メンバーを決める模擬試験に向けて、放課後の勉強会では学力向上をメインに取り組んだの。貴族と平民では生活の環境の違いで、入学当時の学力の差は歴然だったけど、全員が学ぶ事の楽しさを理解した今は、私の想像以上に成績を伸ばしてくれた。
「私も頑張らないとね。来週の模擬試験でトップ5に入れないかも知れないもん」
クラスメイト達の著しい成長に、グリアも焦りを感じ始めたみたい。
「夕食の後にでも特別授業をする?」
「良いの?マールの部屋へ行けばいい?」
「うん、アリシャに伝えておくよ」
「ありがとう」
私が夕食の後に特別授業を提案したら、グリアは嬉しそうに返事をして抱き着いてきた。こんな他愛のないスキンシップを、今では教室内で普通にする仲になっていた。
放課後は教室で勉強会を、夕食後にグリアと特別授業を続けながら過ごしてると、模擬試験の日がやって来た。
「これから、模擬試験を行います。数学、歴史、理魄学の3科目を各50分で実施します」
「「はい」」
試験は3科目で出題範囲は習ったところまで、毎日のように復習をしてきたので、私を含めたクラスメイトには簡単な問題だと思った。
「はい、これで模擬試験は終了ね。結果は明日の授業で発表するわね。選抜委員の2人は、明日の授業の前に教員室へ来るように」
「「はい」」
ジュリエッタ先生が教室を後にしてから、全員が集まって感想を言いあった。それぞれが模擬試験に手応えを感じていたようで、全員が『明日が楽しみ』と言っていた。
§ジュリエッタ視点§
午後の授業の後に、模擬試験の採点を始める。1人で全ての採点は、なかなか骨が折れると思っていたら、ミナ先生が手伝ってくれた。流石は爵位を持つだけあって、採点する速度が半端なく早かった。
全ての採点が終わって、その結果をみながらミナ先生と話をする。
「まさかの結果だね」
ミナ先生は驚いていていたけど、なにか喜んでるように見えた気がした。
「そ、そうですね……正直に言えば、貴族が圧倒するものだと思ってました」
「1人の天才に導かれた事で、こんなに早く成果が出るとは思ってなかったよ」
ミナ先生の言う通り、天才に導かれて平民の生徒達は驚くほどの成長をした。
明日の結果発表では、貴族令嬢達がどのような反応をするのか、楽しみでもあり不安でもあった。
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