第15話 選抜委員会

 女学院に入学して1カ月が経過して、初めて選抜委員会が開かれる事になったので、私とアリグリア様は会合が行われる集会所へ入った。


「アリグリア様は選抜行事について詳しい事を知ってるのですか?」

「クラス対抗戦をする事しか知らないわ」

「私と同じですね。他のクラスと関わる事がないので、少し緊張してるんですよ」

「私も同じよ」


 会合が始まるまで時間があったので、選抜行事について話し合おうと思ったけど、知ってる内容は同じ程度だった。


 暫くすると初等科の選抜委員が揃ったので、選抜委員の顧問を務める先生が挨拶をする。


「みんな集まったね。私は選抜委員の顧問を務める【ミナ.レジストリー】だ。1年間の付き合いになるがよろしく頼むね」

「「よろしくお願いします」」

「早速だけど、初等科の前期に行われる選抜行事は【学力対抗戦】と【武術対抗戦】の2つを行う。今日はその話し合いをするよ」


 前期に行われる選抜行事は2つで簡単な内容はふこんな感じだった。


①学力対抗戦…クラスから5名を選抜して、学力試験を行い合計点を競う。


②武術対抗戦…クラスから5名を選抜して、勝ち抜き戦を行う。


「何か聞きたい事はあるかな?」


 ミナ先生が簡単な説明の後に、選抜委員全員に向かって質問はないかと聞かれたけど、誰も聞こうとしなかった。これだけでは対抗戦を行う事が出来ないと思ったので、質問する事にした。


「Aクラスのアイマールです。学力と武術の対抗戦ですが、実施する日は決まってるのでしょうか?対抗戦に出場する5名は身分に関係なく選抜しても良いのでしょうか?」

「うん、君は優秀だね!例年だと特に質問する生徒が居なかったんだよね。実施する日なんだけど学力は4月の中日で、武術は5月の中日に行うよ。出場者に身分は関係ないけど、貴族の生徒はどちらも優秀な生徒が多いからね。貴族が多いとだけ伝えとくね」

「ありがとうございました。2つの対抗戦に同じ生徒が出る事も可能なんですか?」

「うん、クラスの名誉を賭けた対抗戦だから、勝てると思う生徒を選抜するといいよ」

「私の聞きたかった事は以上です。ありがとうございました」

「顧問をしてきて、必要な質問した生徒は今まで居なかったけど、アイマールが選抜委員をしてくれて助かるわ」


 ミナ先生に褒められて、少し照れてしまい顔が熱くなった。ただ、周りの委員達の視線は冷ややかで敵意を向けられてる事に、この時の私は気付けなかった……



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る