第7話 アリグリア.バーラント

 アリグリア様の部屋に招かれて、少しだけお話をする事になったの。貴族寮にもグレードがあるみたいで、男爵家の私とは違い部屋の大きさは倍以上あったのに驚いた。


「わぁ、流石は伯爵家ともなると部屋も大きいのですね!」


 私の言葉を聞いたアリグリア様は上機嫌で、寮のグレードについて話し始めたの。


「王家と公爵家は王立学園へ入学すると定められてるから、女学院へ入学する最上位の貴族は侯爵家でその次が伯爵家なのよご存知?」

「いいえ、私は女学院へ進学する為の勉強ばかりしてたので、貴族制度には詳しくありません。もっと教えて頂きたいです」

「そう?なら教えてあげるわ」


 教えて頂いた貴族の階級は以下の通り。

 ※この物語内でのルールです。


王家…言わずと知れた国の頂点。


公爵家…王家の近親だが一代限りで、功績次第で次代の爵位が決まる。


侯爵家…実質的に貴族の頂点で、国の中枢機関で政を執り行う国の要。


辺境伯家…国境を守護する武門の要。


伯爵家…子爵や男爵から陞爵される爵位。四代以内に功績を残さないと降爵される。


子爵家…文官として功績をあげた者へ叙爵された爵位。三代以内に功績を残さないと爵位を奪爵される。


男爵家…主に武勲をあげた者へ叙爵された爵位。三代以内に功績を残さないと爵位を奪爵される。


「とても勉強になりました。ありがとうございました」

「アイマール、明日からはクラスメイトとしてよろしく頼むわね」

「かしこまりました。では失礼致します」


 入学初日から友好なクラスメイトが出来た事に満足しながら自分の部屋へと戻った。


「お嬢様、お疲れではありませんか?」

「うん、人とこんなに話したのは初めてだから、かなり疲れたかな?少しだけ横になるから、アリシャが話してた内容を聞かせてくれる?」


 私とアリグリア様の話の間に、メイド同士で情報交換をしていると思ったので、内容を聞いておこうと思った。


「流石はお嬢様ですね。では簡単に説明します。アリグリア様はバーラント家で唯一王立学園へ進学出来なかった令嬢で、ご両親からはその事で冷遇されてるようです。そのせいか周りの者にキツく当たるところがあるようなので、気をつけた方が良いとの事でした」

「そうなのね。10歳で結果を残さなければ冷遇とかって、貴族社会は嫌ね……私と同じで親から見放された者同士仲良く出来るかしら?」

「それはお嬢様次第かと、今のアリグリア様は周りから浮いた存在ですからね」

「初めて話し掛けてきたくれた方だから、仲良く付き合えるように努力するわ」


 私はアリグリア.バーラント嬢と仲良く付き合って行こうと心に決めたの。


 


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る